【以下ニュースソース引用】

もう一つの東京 永瀬正敏が撮った東京(255)

ARTS & CULTURE

永瀬正敏

永瀬正敏

 俳優・写真家

1966年生まれ、宮崎県出身。1983年、映画「ションベン・ライダー」でデビュー。「息子」(91 …

 

国際的俳優で、写真家としても活躍する永瀬正敏さんが、世界各地でカメラに収めた写真の数々を、エピソードとともに紹介する連載です。

 

つづる思いに光る感性は、二つの顔を持ったアーティストならでは。今回も東京での一枚。偶然目にした光景とは。

 

もう一つの東京 永瀬正敏が撮った東京(255)
©Masatoshi Nagase

 

前回のパノラマ風写真を撮り終え、ふと視線を横に移すと、


そこにはもう一つの東京の街があった。

 

偶然目にしたもう一つの東京。


ガラスに反射して映り込むその姿は、


見る角度によってまた違う味わいのある姿を見せていた。

 

とある高層ビルの屋上から許可を得て撮影した前回の写真。


屋上に出て、目の前に広がる壮大な景色を目の当たりにすると、


そちらの迫力に全て持っていかれて、


違う角度から見ることを全く忘れていた。

 

「よし、撮れた、帰るぞ」

 

撮影に満足し、帰りかけた時、


一つの方向、見方に囚(とら)われ、思わず見過ごしそうになっていた自分に、


そのガラス窓は新たなものの見方を示してくれていた。

 

再び僕はカメラをガラス窓に向け撮影し始めた。

 

「何事もそうなのかもしれないな……」

 

自分一人の考え、視線が全てだと思うと、


他の大切なものを見過ごすことになるかもしれない。


それはとても残念でもったいないこと。

 

なんの変哲もないガラス窓に、


大切なことを改めて教えられた気がした。

 

https://www.asahi.com/and/article/20240301/424526729/?ref=and_mail_t_240323&utm_source=newsletter240323&utm_medium=email&spMailingID=8475658&spUserID=MTkwOTE1OTg0MjcwS0&spJobID=2160211117&spReportId=MjE2MDIxMTExNwS2