【以下ニュースソース引用】
独りぼっちで生きていくのを決める前に読むと「人生が変わる1冊」
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「忙しすぎて本を読む時間がない」
「1冊読み切るのに時間がかかる」
「読んでも読んでも身につかない」
――そんな悩みを抱えているビジネスパーソンは少なくありません。
本を読めばいいことはわかっているのに、自主的に読めない人もいるでしょう。
何の本をどう読み、どう活かしていくか――働くうえで必携のビジネススキルを良書から抜き出したのが『ひと目でわかる! 見るだけ読書』。
本書は、コスパやタイパを重視する現代的な読書スタイルを重視する人にとっても、魅力的な読み解き&活用法です。
たった「紙1枚」を見るだけで本の最も大事なポイントが圧倒的なわかりやすさで理解でき、用意したワーク1枚を埋めるだけで即スキル化できる1冊。
それも1万冊の読書体験と1万人を教えてきた社会人教育の経験から、絶対に読んでほしい24冊+αを紹介。
ただ、エッセンスをまとめただけでなく、読後には、紹介した本が有機的につながっていく仕掛けがあなたのビジネススキルを飛躍的に向上させます。
● 孤独を克服し、自らを愛する
「正直、便利な時代なので一人でも生きていけると思いますが……」
「人間関係なんて煩わしいし面倒だと感じてしまいます……」
「別に“おひとりさま”でも大丈夫なんじゃないでしょうか……」
そんな人に向けたコミュニケーションや人間関係に関する必読書として、ドイツの社会心理学者、エーリッヒ・フロムによる『愛するということ』を選書しました。
タイトル通り「愛とは何か?」「なぜ人は愛するのか?」「どうすれば愛を実践できるのか?」といった問いについて、その本質を学び取ることができる名著です。
『愛するということ』は精神面にフォーカスをあてた人間交際の重要性について学び取れる本です。
「今だけ、金だけ、自分だけ」をメインの価値観にして生きていると、いったい何がまずいのか。
まずは、次の一節を味わいながら読んでみてください。
人間のもっとも強い欲求は、孤立を克服し、孤独の牢獄から抜け出したいという欲求である。
この目的の達成に全面的に失敗したら、精神に異常をきたすにちがいない。
なぜなら、完全な孤立という恐怖心を克服するには、孤立感が消えてしまうくらい徹底的に外界から引きこもるしかない。
そうすれば、外界も消えてしまうからだ。
現代は極めてファストな時代です。
ここまでテクノロジーが発展してくると、「本当に誰ともかかわらずに生きていけそうだ」などと思えてきてしまいます。
しかしながら、それはせいぜい肉体的なレベルでの話。
確かに、衣食住を整えてしまえば、とりあえず生きていくことだけなら可能かもしれません。
一方、精神的には孤独に耐えられなくなってしまう。
だからこそ、人は人を愛するのだというのが、『愛するということ』から学べるエッセンスの1つです。
ただ、あくまでも今回はコミュニケーションや人間関係構築の文脈で紹介していますので、もう少しライトに「人と関わること、つながること」の本質として置き換えていきましょう。
いずれにせよ、最大のキーワードは「孤独の克服」であり、これが根源的な欲求である以上、経済的にも肉体的にも精神的にも、やはり人は独力だけでは生きていけないのです。
「そうはいっても、人付き合いは苦手なので……」となってしまっている人もいるかもしれません。
私もそう感じてしまう側のパーソナリティではあるのですが、そんな私たちに、フロムは次のような本質を残してくれています。
愛は能動的な活動であり、受動的な感情ではない。
そのなかに「落ちる」ものではなく、「みずから踏みこむ」ものである。愛の能動的な性格を、わかりやすい言い方で表現すれば、愛は何よりも与えることであり、もらうことではない、と言うことができよう。
先ほどの引用文の最大のポイントは、「愛は受動的な感情ではない」という本質です。
そもそも『愛するということ』の原書タイトルは、『The art of loving』。
武術のことを英語でマーシャル・アーツと言ったりしますが、これと同じで「The art of loving」は「愛する技術」という意味です。
技術である以上、「愛すること」は後天的に習得や向上が可能だということを意味します。
愛とは「能動的な活動」であり、感情というよりは「行動を伴った意志の領域の話」なのです。
「読んだ後の能動的な活動=行動=アクション」を重視する本書において、この本質を知っておくことは極めて重要なのではないでしょうか。
では、具体的にどんな技術を磨いていけばよいのかというと、先ほどの引用文にある通りフロムは何より「与えること」だと言っています。
加えて、「愛する技術=コミュニケーションの技術=与える技術」を修練していくための条件として「規律」「集中」「忍耐」等、さまざまなキーワードを本の中で挙げてくれているのですが、今回は「集中」に絞って補助線を引いておきます。
というのも、「集中」に関するフロムの記述が、現代の読者にとって極めて重要だと考えているからです。
実際、集中できるということは、ひとりきりでいられるということであり、ひとりでいられるようになることは、人を愛せるようになるための必須条件のひとつである。
これはどういうことかというと、孤独に耐えて(忍耐)、自らを律し(規律)、何かに没頭できる(集中)ような人間でなければ、独りぼっちになってしまうことへの恐怖心からただ逃れるためだけに、人とつながり、相手に過剰に依存してしまうのです。
だからこそ、日々の修練を通じて、まずは「自らを愛する、承認する、肯定する技術」を磨いていく必要がある。
こう捉えられると、日常的な人間関係において相手に何かを期待する前に、自分自身にできることが実はまだまだたくさんあると気づけるのではないでしょうか。
『ひと目でわかる! 見るだけ読書』は、パッと見るだけの圧倒的なわかりやすさで、名著の本質が分かる1枚シートに加え、著者の用意した1枚ワークを埋めるだけで、読み返しがいらなくなるほど、名著のエッセンスが一読で身につきます。
ぜひ、活用してください。
(本原稿は書籍『ひと目でわかる! 見るだけ読書』の一部抜粋、再編集したものです)
浅田すぐる
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