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脳内科医が提言「性格は自分の手で変えられる」 鼻づまりの解消がカギ 寛容さに「呼吸」「睡眠」が影響

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※写真はイメージです(写真/Getty Images)

 

神経質、怒りっぽい、ネガティブ思考……。

 

自分の嫌な部分を自覚しつつも、「持って生まれた性格だから仕方ない」と諦めている人は多い。

 

だが、脳内科医は「性格とは脳の働きが表面化したものであり、そもそも流動的である」と指摘。性格は固有のものではなく、変えることができる。

 

人々の“常識”を覆す、脳科学から見た「性格」とは。

 

  【図版】八つの脳番地はこちら

 

*  *  *

 

  人の性格を決めるのは約半分が両親からの遺伝であり、持って生まれた性格は簡単には変わらない――。

 

この通説に対し、「待った」をかけるのは30年以上脳の研究に従事し、ベストセラーを多数出す加藤プラチナクリニック院長の加藤俊徳医師だ。

 

代表を務める株式会社「脳の学校」では、MRI脳画像を通じて脳の健康状態やその人の長所、潜在能力を診断。

 

1万人以上の脳画像診断を通して、「人の性格の特徴と脳には密接な関連性がある」と断言する。

 

  加藤医師は脳の各部位を八つの働きで分類し、それを「脳番地」と名付けている。

 

思考系・視覚系・聴覚系・感情系・理解系・記憶系・運動系・伝達系という、それぞれの脳番地の発達具合により、得意不得意や個性が生まれる。

 

例えば、思考系脳番地は発達しているが伝達系・運動系脳番地が未発達である場合、集中力や目標達成力が高い一方、心配性でコミュニケーションが苦手な傾向にある。

 

そのため「こだわりが強い」「神経質な人」という印象を持たれやすい。

 

 「人には必ず苦手なことがありますが、それはその脳番地の成長が未発達だから。脳番地を伸ばせば能力は向上します」と加藤医師は言う。

 

つまり脳科学的な観点で言えば、神経質的傾向を持っているのは「性格」によるものではなく、「脳の使い方」によるもの。脳の発達具合の差が自分自身や他者から見た“性格”として表現されているに過ぎないのだという。

 

 ■性格を変えたければまず「鼻」を通せ

 

 「双子やきょうだいなど、似たような遺伝子傾向がある場合、性格の類似性は少なからず存在することが研究によりわかっています。

 

また、遺伝的な病気などが脳の特性に与える影響も無視できません。

 

しかし、本質的に性格とは、脳の成長の軌跡。そう考えると、99%は後天的なもので、友人や住む場所、収入、健康状態などの環境的要因に左右されるのだと思います」と加藤医師は話す。

 

「自分の性格」は世界で一つしかなく、それは人生における選択や成長とともに変わるものなのだという。

 

つまり加藤医師によれば、脳の使い方を変えることで「神経質」「気にしすぎ」といった性格を変えることは十分に可能だ。

 

しかし、その前に脳の働きを大きく阻害する要因を取り除かなくてはならない。

 

酸素の欠乏と睡眠不足である。

 

 「脳に酸素が十分に行き渡らなければ当然イライラしやすくなり、集中力が低下します。

 

鼻炎や花粉症などにより炎症を起こし、鼻の気道が狭くなったことで十分な息を吸えていない人はとても多い。

 

鼻の通りが悪いと息苦しさから脳が覚醒を繰り返し、不眠にもつながります。

 

鼻の通りを良くし、質の高い睡眠を得ること。人の寛容さはこれだけで大きく変わります」

 

  花粉症と不眠症は今や国民病であり、疲労感や倦怠(けんたい)感が抜けない状態が“通常”となってしまっている人は少なくない。

 

この状態が続くと肉体的にも精神的にも意欲が低下し、QOL(生活の質)が大きく損なわれる。

 

これは日本から「寛容さ」が失われたこととも無関係ではないだろう。

 

性格を変えたいならまずは体の不調を治すこと、と加藤医師は指摘する。

 

 ■性格とは自分の手で作っていくもの

 

  だが、「人の性格は絶えず変わるもの」と考えると、不思議なことがある。

 

同窓会などで旧友と再会したとき、「見た目は成長したけど中身はあのころのままだ」「根っこの部分は変わっていない」と感じるのはなぜなのだろうか。 

 

「『変わっていない』と感じるのは、ある種のバイアスがかかっているからです。

 

なぜなら、学生時代における同じ体験の共有しかしていないから。

 

当然、成長につれて学生時代とは違う側面を備えたはずですが、その過程は知らず、変わった部分の記憶は保持されていないので、認知できないということです。

 

他人から見た『性格』は多くの場合、そうしたバイアスがかかっていると言えるでしょう」 「昔から変わらない部分」を好意的に捉えるのは親近感の表れでもある。

 

確かに同級生をよく観察すれば変わらない部分よりも変わった部分のほうが多いはずだが、「都合の良い側面しか見ていない」のが本音なのかもしれない。

 

「脳科学的には、成長すればするほど『自分』に近づくと思うんです。

 

性格とは脳に蓄積されたデータの集合体であり、その人の人生そのもの。

 

性格とは固有のものではなく、自分の手で作っていくものなのです」 

 

 人間の脳の仕組みにはいまだ解明されていないことがたくさんあり、それだけ無限の可能性を秘めていると言える。

 

「自分の性格」を決めつけず、変化を楽しむ心構えでいるとよさそうだ。

 

 (文/酒井理恵)

 

酒井理恵

 

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