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失言しないために「言ってはいけないこと」、「相手が不快に思っていること」を知ろう――大人の発達障害

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 仕事がうまく進まない、対人関係が苦手、自己管理できない……発達障害の人に起こりがちなトラブルについて、解決策を専門医が解説した『大人の発達障害 働き方のコツがわかる本』。

 

 時間管理やミスを防ぐ方法、集中力の持続方法や伝え方など具体的な方法を分かりやすく解説した本書から、対人関係で悩まないためのコミュニケーション方法をご紹介!

 

  前編記事<大人の発達障害「どんなタイミングで話しかけたらいい?」「会話が続かない」を解決! >

 

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  大人の発達障害「どんなタイミングで話しかけたらいい?」を解決!

失言は対人関係に影響する

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 正論を主張しすぎたこと、考えずに言ったこと、わりこんで発言するなど、会話上の失敗は、対人関係に影響します。

 

また、衝動的な発言、場をもりあげようとした発言、よかれと思って言ったことなどが、失敗につながることもあります。

 

  自閉スペクトラム症の人は、こだわりから、主張をまげない、がんこさがあります。

 

  ADHDの人は、衝動性が関係していますが、ワーキングメモリの弱さも関係しています。ワーキングメモリが小さく、頭に浮かんだことを短期的に記憶する力が弱いため、消えてしまわないうちに口に出してしまいます。

失言を防ぐには

 ■ひと呼吸おいてから発言

 

 なにか発言する前に、頭の中で、ゆっくり「ひとぉつ」と数えながら、大きく呼吸してみましょう。

 

気持ちが落ち着いたら発言します。  言いたいことが、文句、怒り、言い訳ということもあります。

 

ひと呼吸おきましょう。

 

  ■ 書いてからでも

 

 話しているうちにまとまらなくなることや、言わなくてもいいことまで言ってしまうことがあります。

 

発言する前に、言おうとすることを箇条書きにしてから発言するとよいでしょう。

 

とくに、会議中の発言には、有効です。

 

  ■ 口にチャック

 

 ADHDの人は、失言して後悔するぐらいなら、黙っているほうがいいでしょう。

 

不愛想だと怒っているように見えるので、笑顔は保ちます。

 

  ■人の話にわりこまない

 

 わりこんで発言するのは、迷惑なものです。

 

たとえ自分のほうが、そのことについて知っていると思っても、わりこまないようにしましょう。

言ってはいけないことがある

 うかつに言ってはいけない話題があります。下記のような話題は、職場では発言しないほうが無難です。

 

ほめる方向での発言でも、避けます。

 

 ・容姿

 

 ・収入

 

 ・学歴

 

 ・下ネタ

 

 ・宗教

 

 ・政治

言いすぎていないか

 自分が正しいと思うことを言いすぎないように注意しましょう。

 

自閉スペクトラム症の人は周囲の人がどう思うかより、論理的に正しいか正しくないかを重視しがちです。 

 

 たとえ正論であっても、相手の反応をみて、発言を控えましょう。

 

わからなければ、相手に「言いすぎでしょうか」などと率直に聞いてみます。

相手から見ると「会話がかみあわない」!

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 発達障害の人はコミュニケーションに困難を感じていますが、会話の相手はどのように感じているのでしょう。

 

  職場の人たちの感想を集めてみました。

 

ポジティブな感想もありますが、ここではあえて、ネガティブな感想を挙げます。対策のヒントも示します。

 

  ■勝手にしゃべっている

 

 よくわからない話を、一方的にしゃべっていることがよくあります。

 

場がしらけていても、気づかないようです。 対策のヒント>会話の量がかみあっていません。

 

自分の興味のあることばかり話さないようにしましょう。相手にとっては、興味がないことかもしれません。

 

できれば、相手の表情やしぐさを見て、発言を控え、相手の話を聞きましょう。

 

  ■話を聞いていない

 

 こちらが話しているとき、うわの空だったり、不機嫌そうな表情だったりして、話を聞いていないようです。

 

 対策のヒント>興味がない話でも意識をそらさないように。集中がとぎれているなら、質問するようにしてみましょう。

 

笑顔はコミュニケーションの潤滑油です。

 

  ■えらそう

 

 こちらが言ったことについて、「なかなかいいと思いますよ」などと返事をします。

 

しかも、腕組みをしながらの発言で、えらそう。どちらの立場が上か、わかっていないのでしょうか。

 

 対策のヒント>相手をほめようとしているのかもしれませんが、評価してはいけません。

 

態度にも注意しましょう。

 

  ■いいかげんな返事をする 

 

「できそうかな」と聞いているのに、よく考えず「はい、はい」などと安請け合い。結局「できない」ということが、よくあります。

 

 対策のヒント>

 

即断即答しないことが大切です。

 

サービス精神や思いつきで返事をしたために、自分で仕事をかかえすぎることもあります。

 

  ■イラッとする

 

 話している途中で、話をさえぎって結論を言われると、イラッとします。

 

 対策のヒント>会話のスピードがかみあっていません。

 

結論を先に言わないようにしましょう。

 

聞いているうちにわかったような気になって、先回りして結論を言うのは、相手をいやな気持ちにさせます。

 

予想した結論が間違っていることもあります。相手が話し終わるのを待ちましょう。

 

  ■へりくつをこねる

 

 仕事の指示をしても、そのとおりにやろうとせず、自分のやり方にこだわって、へりくつをこねているように見えます。

 

 対策のヒント>仕事は上司の指示にしたがうのが基本です。

 

わからないことを質問するのはいいですが、質問と自説の主張は別のこと。自説を主張しすぎないようにしましょう。

 

  ■被害者意識が強い

 

 周りに対して、防衛的に敵意を向けたり、攻撃的になったりします。

 

これは被害者意識が強いからでしょうか。

 

 対策のヒント>

 

発達障害の人は、小さいころからいじめられているケースが多いですし、失敗して叱責されつづけてもいます。

 

そのため、自信がもてず、被害者意識が強くなりやすいのです。

 

叱責されたときなどには、みんなが自分のことを怒っている、嫌っていると思ってしまいます。 

 

けれど、それは思い過ごしです。

 

ものごとの受け取り方を変えましょう。

 

認知を変える練習をして、被害者意識をなくしましょう。

 

太田 晴久(昭和大学附属烏山病院発達障害医療研究所所長)

 

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