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【毎日書評】不安という『黒い感情』をコントロールする2つの方法

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ライフハッカー・ジャパン

【毎日書評】不安という『黒い感情』をコントロールする2つの方法

 

『わたしの中の黒い感情』(ソルレダ 著、桑畑 優香 訳、ポプラ社)の著者が「黒い感情」と呼んでいるものは、“気づかないふりをしてフタをしておきたかったさまざまなネガティブな感情”だそう。

 

 わたしたちの心の中には、険しい山がそびえたっている。それでも、どんなに険しい山にも、頂上があり、いつか越えなければならないと思って、よじ登る。

 

 この本ではその過程で抱いた疑問の答えを記していく。

 

燃え上がる赤黒い山に一歩を踏み出しながら最初の一行を書き、山がすべて燃え尽きたあと、枯葉色の土で覆われた山を下りながら最後の一行をしたためた。 (「Prologue 困難を乗り越えるために」より)

 

 たしかに、私たちは生きていく過程においてさまざまな山にぶつかるもの。

 

しかしそれは、しばしば障壁として行く手をはばむ厄介なものでもあります。

 

だからこそここには、少しでも歩きやすい道を見つけることができるように、ラクに登れるように、というような思いが込められているわけです。

 

 著者は、数学が好きで工学部に進学したものの、専攻を映像デザインに変更し、カウンセリング心理学も学んだという経歴を持つ作家、創作・芸術家。普遍的に嫌われる感情や人間の心の陰にとくに強い関心を持っており、カウンセリング心理学をきっかけとして、人間の内面に対する勉強を続けているのだそうです。

 

 2008年からは絵日記形式の「感情メモ」を書き続け、そこから誕生したというウサギのキャラクター「ソルト」は、本書のなかでも大きな存在感を放っています。

 

 きょうは1st PATH「自分でも気づけなかった わたしの中の黒い感情」のなかから、「不安」についての対処法を抜き出してみることにしましょう。

私たちには3つの仕事がある

著者はここで「仕事」について触れており、私たちがやる仕事は、大きく分けて3つあると述べています。 

 

1.やりたい仕事

 

2.やるべき仕事

 

3.できる仕事 (28ページより)

 

 なお、ここでいう「仕事」とは“お金を稼ぐ活動”だけではなく、“私たちが生きている間に行うすべての行動”を指しているのだそうです。

 

誰かに会って会話して関係を維持する、散歩して買い物をする、本を読むなど、日常のあらゆることがあてはまるということ。

 

 私たちの一日のなかには、この3つの仕事がほどよいバランスで交ざっているもの。

 

そんななか、やりたい仕事をしばらくの間あきらめたり、やるべき仕事を優先するためにやりたい仕事を先送りしたりすることもあるでしょう。

 

あるいは、いったんできる仕事をストップし、やりたい仕事を選んだりすることもあるはず。

 

 その点を踏まえた上で、次に著者はこの3つに単語をひとつ加えています。

 

 1.やりたい仕事→

 

 「どうしても」やりたい仕事

 

 2.やるべき仕事→

 

 「絶対」やるべき仕事

 

 3.できる仕事→  「必ず」できる仕事 (29ページより)

 

 ほんの少し変えただけなのに、ぐっとプレッシャーを感じるのではないでしょうか?

 

 「どうしても」「絶対」「必ず」というようなことばを加えると、気軽に始めたはずのことも手抜きができなくなるわけです。

 

スタートする前にためらってしまったり、始めたあとも「やり遂げられなかったらどうしよう」と不安で押しつぶされそうになったり。(28ページより)

 

計画と規則は柔軟につくる

不安とは、先が見えないときに生じる感情だ。不安が耐えがたいレベルまで到達すると、「不確実」と同義語になり、ちょっとしたことにさえ、耐えられなくなる。 

 

不確実と一緒になった不安を和らげるために、わたしたちはできるだけ多くのことを予測しようとする。

 

でも、未来をすべて当てるのは不可能だ。だから未来に向けて計画を立てるのだ。(29~30ページより)

 

 計画と規則は、状況に合わせて柔軟につくるほうがいいと著者はいいます。

 

そうしないと自分でも気づかないうちに、「計画を守るための計画」や「規則を守るための規則」に悩むことになってしまうからです。

 

 仕事をするうえでは「目標」「計画」「規則」「やることリスト」「日程表」などが密接に関わってきますが、それはしばしば「成し遂げられなければならない」「しなければならない」「できる」などのことばへとつながっていきがち。

 

そこにあるのは、決めたことをなんとしてでもやり遂げなければという、プレッシャーや不安です。

 

 著者も過去には、目標のためにつくった計画と規則を必ず守ろうと努力し、情熱のあまり、不安についてすっかり誤解していたのだそうです。

 

 たしかに、不安が消えることはありません。しかし不安が大きくなり、日常生活がコントロールできないほどになったとしたら、不安の原因がなんなのかを考えてみる必要があります。

 

心を落ち着かせるための方法を、あらかじめ用意しておくのもいいでしょう。(29ページより)

不安のレベルを下げる

大切なのは、不安をなくすのではなく、耐えられるレベルに和らげることだ。

 

 不安という感情が、わたしたちの中を何事もなく通り過ぎていくようにするのだ。(31ページより) 

 

著者は不安の気配を感じたときには、やるべき仕事を急いで終わらせるのだといいます。

 

そして、ひととおり終わったら、家でいちばん落ち着く場所に座り、買っておいたビールを飲みながら映画やドラマを見るのだとか。

 

それが、不安に襲われる隙をつくらないために編み出した方法だということ。

 

 また、外に出ていてそうもいかないときは、深呼吸をするのだそうです。

 

 腰まで空気が入るぐらい息を大きく吸って、2秒ほど止め、すぐに体の中の空気をすべて吐き出す。

 

呼吸に集中し、空気の方向、呼吸する音、内臓の変化を意識しながら。(31ページより)

 

 これは、突然不安に襲われたり、手に汗をかいて背筋がヒヤッとしたりしたときにとても役立つそうです。(31ページより)

 

 他にもさまざまな「黒い感情」についての考え方、受け止め方、対処法が網羅された一冊。

 

文章も簡潔でわかりやすいので、気楽に読み進んでいけば、いつしか心のなかのモヤモヤがなくなっていることに気づくかもしれません。

 

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>> Source: ポプラ社

 

印南敦史

 

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