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発達障害の人が仕事をスムーズに進めるために――スケジュール管理の方法を徹底解説

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現代ビジネス

写真提供: 現代ビジネス

 

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 仕事がうまく進まない、対人関係が苦手、自己管理できない……発達障害の人に起こりがちなトラブルについて、解決策を専門医が解説した『大人の発達障害 働き方のコツがわかる本』。

 

 時間管理やミスを防ぐ方法、集中力の持続方法や伝え方など具体的な方法を分かりやすく解説した本書から、仕事をスムーズに進めるためのスケジュール管理方法をご紹介!

 

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  仕事をスムーズに進めるための時間管理術【時間が守れない人必見!】

仕事を進める力に障害がある

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 発達障害では、実行機能の障害がある人が多いといわれています。

 

仕事はスケジュールどおりに進めなくてはなりませんが、ここが障害されていると、仕事の段取りを立てたり、スケジュールを管理したりすることが苦手です。

 

  同時進行するような作業では、優先順位がつけられず、なにから始めればいいか迷います。

 

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「実行機能」とは 目標を立てて効果的に実行していく能力のこと。仕事をするうえで重要な力。

 

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  スピードが求められる仕事や急な仕事への対応が苦手です。

 

仕事では追加や変更がつきものですが、一度に複数の仕事が入ったり、急に指示が変わったりすると、対応ができません。

 

情報処理能力に弱さがあると、焦ってしまってパニックになることもあります。

誤解のもとになりやすい

 実行機能の障害は、周囲の人にとって理解するのがなかなか難しい特性です。 

 

 例えば、今日じゅうにやらなくてはいけないとわかっている仕事があっても、とりかかれません。

 

ただ時間が過ぎていくだけ。周囲は「わかっているなら始めればいいのに」とイライラします。

 

職場でも「やる気がない」と誤解されることが多くあります。

 

やる気がないわけではなく、スタートできるかどうか、「やろう」と意思決定することができるかどうか、の問題なのです。

 

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 実行機能の4段階 実行機能とは、下記のように4つの段階をふんで仕事を進める力です。

 

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  (1)意思決定

 

 仕事をやろうと決定する段階→決定できない

 

  (2)計画立案

 

 目標を立てて段取りを組む→優先順位がつけられない、予定が組めない 

 

 (3)計画実行

 

 計画どおりに作業をこなすこと→複数の作業ができない、要点を押さえられない 

 

 (4)効果的遂行

 

 よりよい結果になるように仕事をすること→状況のモニタリングができない、状況に合わせて作業を修正できない

 

スケジュールを管理する方法

 実行機能の障害が大きく関わるのが、計画的に作業を進められないこと。

 

複数の作業の同時並行(マルチタスク)が苦手、優先順位がつけられないという困難にも関わっています。 

 

 目の前の仕事を、興味のおもむくままにしていませんか。

 

計画的に作業を進めるために、まず全体をつかむことから始めましょう。

 

  マインドマップ®は、全体を把握するのに役立つ方法です。

 

その仕事に関してやることを、1日単位や1ヵ月単位で把握し、やる順番を決めます。

 

1日のスケジュールを管理するには、朝、仕事を始める前に、その日やることを書き出して、順番を決めます。

 

  チームで共有するのも有効です。

 

また、仕事中に別のことを考えはじめても、これを見ることで、もとの作業に戻るきっかけになります。

優先順位がわからないなら

『大人の発達障害 働き方のコツがわかる本』より

 

 マインドマップに、順番を書き込むとき、優先順位(作業の順番)がわからなければ、上司に相談します。

 

作業の順番を決めるには、マイ・スケジュール(次ページ)も役立ちます。

 

  これらのように目に見えるかたちにすることを、情報の「視覚化」といいます。

 

発達障害のある人は、仕事の指示を、メールやメモなどで視覚化してもらうとよいでしょう。

 

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 ★マインドマップ

 

 横長の紙に今日やることの大きな項目を書き、それに付随することを、中心から色分けして書きます。

 

イギリスの教育者トニー・ブザンが提唱する方法です。

 

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 ※スマホのアプリの利用も スマホ(スマートフォン)やタブレット端末で、スケジュール管理をしている人も多いようです。

 

マインドマップのソフトも多種多様なものがあります。

 

そのほか、以下のようなソフトを使っている人もいます。

 

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 ● グーグルカレンダー

 

 スケジュール管理のツールです。

 

予定を色分けして書くことや、詳細な予定まで書き込むことができ、変更も可能。

 

定期的にくり返される予定も簡単に設定できます。

 

  ● リメンバー・ザ・ミルク

 

 タスクが管理できるアプリです。

 

予定やタスクを登録しておき、「3回以上締め切りを延期しているもの」「『あとで考える』と書いてあるタスク」などと検索すると、該当するタスクが表示されます。

 

また、締め切りを通知するだけでなく、取りかかり時間まで教えてくれます。

 

  スマホで作成したら、首から下げておきましょう。

 

大事なものは体から離さないのが基本です。

やることと順番を明らかにする

 その日なにをやるか、どの順番でやるかは、マインドマップに書いてもいいのですが、リストや付箋を活用する方法もあります。

 

これを「マイ・スケジュール」といい、自分なりのスケジュールをつくって管理する方法です。

 

  スケジュールをつくるとき優先順位がわからなければ、上司に「どちらを優先したらよいでしょうか」などと確認しましょう。

マイ・スケジュールの利点

 発達障害のある人は複数の仕事を同時に進めるのが苦手です。

 

ただ、決めた順番どおり、一点集中の仕事はこなすことができます。

 

1つのことに集中すると、ほかが視野に入らなくなる特性があるからです。

 

この特性はマイナスばかりでなく、職場ではプラスにもなるので、いまやることが明確になるマイ・スケジュールは役立ちます。

 

  マインドマップと同様に、スケジュールを視覚化するので、管理しやすくなるという利点があります。

 

また、リストにする方法は、やったことがわかるので達成感が得られます。

 

付箋にする方法は、イレギュラーな作業に対応しやすいという利点があります。

スケジュールを決めておくのも◎

『大人の発達障害 働き方のコツがわかる本』より

 

 朝、出勤したら、マイ・スケジュールをつくる、メールをチェックする、プリントして部長に渡す、などと、毎日やることの順番を決めておくと、滞りなく仕事を始めることができます。

 

  このように、パターンを決めておくことを「構造化」といい、とくに自閉スペクトラム症の特性がある人には有効です。 ----------

 

 ★マイ・スケジュール

 

 最初にやる仕事は、その日のスケジュールづくりです。

 

つくったスケジュー ル表は、見えるところに貼っておきます。

 

仕事を終わらせる予定の時間を書き 込んでもよいでしょう。

 

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 続きは<大人の発達障害――仕事をスムーズに進めるための時間管理術【時間が守れない人必見! 】>にて公開中。

 

TODOリストの活用方法についてご紹介します。

 

太田 晴久(昭和大学附属烏山病院発達障害医療研究所所長)

 

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