【以下ニュースソース引用】

デザインの遊びが楽しい「ミニ・ジョンクーパーワークス・カントリーマン」

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ミニ初採用のハンズオフ機能付き渋滞運転支援機能は使い勝手がよかった 写真=BMWジャパン提供
小川フミオ

小川フミオ

 モータージャーナリスト

クルマ雑誌の編集長を経て、フリーランスとして活躍中。新車の試乗記をはじめ、クルマの世界をいろいろ …

 

輸入車のなかでも根強いファンを持つ「ミニ」が2023年11月にフルモデルチェンジ。

 

「かつてないデジタル体験を提供」をうたっていて、なんだかおもしろそう、と私は強い興味を引かれてきた。

 

24年2月に、ポルトガルはリスボン近郊で国際試乗会が開かれた。

 

クルマは発表されていても、ドライブしての印象は、全世界的に2月19日まで公開しないで、というのがメーカーからのお願いだったので、この記事は、いってみれば、ほやほやの試乗記です。

 

今回乗ったのは、「ミニ・ジョンクーパーワークス・カントリーマン」。

 

車型はミニのステーションワゴンで、従来日本ではクロスオーバーとして売られてきたモデルが、モデルチェンジに合わせて名称変更された。

 

デザインの遊びが楽しい「ミニ・ジョンクーパーワークス・カントリーマン」
先代クロスオーバーより全長が13cm延ばされ荷室容量は最大25パーセント拡大 写真=BMWジャパン提供

 

ミニには、いろいろ符丁みたいなものがあって、カントリーマンはそもそも、オリジナルにあたるオースティン・ミニのバリエーションとして1960年に発表されたもの。

 

ジョン・クーパーは、英国人のレーシングカーコンストラクターで、設計者のアレック・イシゴニスに、ミニをチューンナップしたモデルの可能性を熱心に説き、それがミニクーパーとして実現したのだった。

 

というわけで、このモデルもミニ・カントリーマンのラインナップにあって、もっともパワフル。

 

233kWの最高出力を発生する2リッターのツインターボ・ガソリンエンジンを搭載し、4輪を駆動。スポーツサスペンション、ツインクラッチ変速機、エレクトロニック・ディファレンシャル・ロック・コントロール、ダイナミック・スタビリティ・コントロールといった「レーシングスピリットあふれる走り」(ミニ)のための装備がそろう。

 

デザインの遊びが楽しい「ミニ・ジョンクーパーワークス・カントリーマン」
左から、変速機のPポジション、トグルスイッチ型のシフター、エンジン始動ノブ、ドライバーモード切り替えスイッチ(「エクスペリエンス」)、音量調整ダイヤル 写真=筆者撮影

 

たしかに、ドライブは気持ちよい。

 

「グリーン」と名づけられ燃費重視のドライブモードでも十分、力のある加速とすいすいと曲がる操舵(そうだ)感が楽しめる。

 

「ゴーカート」(スポーツモードに相当)を選ぶと、さらに元気になり、アクセルペダルをほんの少し踏み込んだだけで、どかんっと飛び出すように速度を上げる。

 

全体の印象としては、スポーティーとはいえ、クルマに振り回されるようなことはなく、快適からスポーティーまで、ミニのもつ特徴を全方位的に堪能できる出来だと私には感じられた。

 

とくに、運転で気分をスカッとさせたいひとにはよいと思う。

 

デザインの遊びが楽しい「ミニ・ジョンクーパーワークス・カントリーマン」
ヘッドランプとテールランプは三つの点灯パターンが用意されている 写真=BMWジャパン提供

 

リスボン郊外は、大きな波が打ち寄せる外洋の砂浜ぞいに、美しい景色が楽しめる道が設けられていて、それに加えて、その背後はくねくねとカーブが続く山岳路がたくさんある。

 

つまりドライブが楽しめる環境なのだ。

 

日本でも、市街地、高速、山道、と道を選ばず、このモデルのよさが味わえるはず。

 

もうひとつ、カントリーマンをはじめ、新型ミニの特徴が、インテリアデザイン、とりわけデジタル技術にある。

 

なかでも、直径240mmの丸くて薄い有機ELによるセンターディスプレーは、他車ではなかなかお目にかかれない遊び心にあふれた機能をそなえている。

 

私にはそれがたいへん興味ぶかかった。

 

デザインの遊びが楽しい「ミニ・ジョンクーパーワークス・カントリーマン」
操作類の数はミニマムになり多くの機能は円形モニターのなかで行う 写真=BMWジャパン提供

 

「今回は“タッチ&スピーチ”といって、スクリーン上で操作する方法と、音声入力の機能に力を入れて開発しました。

 

後者ではアマゾンのアレクサの技術も使えるので、乗員はAIとの会話を楽しむことも可能です。

 

加えて、エクスペリエンスモードなる機能を標準装備しました」

 

デジタライゼーションとライティングの開発を担当したミニのケルスティン・アウグスブルグ氏は、会場で私の質問に対して、そう答えてくれた。

 

デザインの遊びが楽しい「ミニ・ジョンクーパーワークス・カントリーマン」
ガソリンエンジン仕様のリアシートでは足元が深くえぐれていてフットスペースが広く感じるうえに前後スライドが可能 写真=筆者撮影

 

インフォテインメントシステムは、今回、「ミニオペレーティングシステム9」なるまったく新しいOSに変わる。

 

従来のリナックスベースでなく、アンドロイドをベースにする。理由として「広く使われているため、たとえばアプリを搭載するにも、サードパーティーが参入しやすいから」とミニブランドの親会社であるBMWの責任者に説明された。

 

エクスペリエンスモードでは、ダッシュボードに投影される光のパターンが七つ。

 

さらに、流す音楽のカバーアートの色に合わせて25色のなかから最適と車両が判断したライトエフェクトが、やはりダッシュボードに投影される。

 

「没入感のあるユーザー体験」をもたらすそうだ。「たとえば私の好きなピンク色とか」とは上記アウグスブルグ氏の言葉。

 

デザインの遊びが楽しい「ミニ・ジョンクーパーワークス・カントリーマン」
円形モニターをフルに使ったディスプレーが特徴的で写真のように「ゴーカート」モードでは自車のアイコンが赤色に変わる遊びも 写真=筆者撮影

 

もし自分がオーナーになったら、ちょっと自慢したくなってしまいそうなのが、デザイン上の遊びだ。

 

たとえばナビゲーションシステム作動中に、自車位置をあらわすアイコンを長押しすると、かたちが矢印からミニに変わる、というぐあい。

 

またモードによっては、スポティファイ(これは有料パッケージ)での楽曲ストリーミング中に、円形モニターの画面をまんまビニール盤(レコード)のビジュアルに変更も可能。

 

しかも、画面に手をやって前後に動かすと、キュッキュッとスクラッチ音までする凝り方。

 

意味ないと思うが、笑顔になってしまう。

 

【スペックス】


Mini John Cooper Works Countryman


全長×全幅×全高 4445×1845×1645mm


ホイールベース 2690mm


1998cc直列4気筒ガソリンエンジン  4輪駆動


最高出力 233kW@5750rpm


最大トルク 400Nm@2000~4500rpm


価格 667万円

 

取材協力=BMWジャパン

 

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