【以下ニュースソース引用】
どうすれば「自己肯定」できるのか? 自分の記憶も他人の評価もいい加減なもの
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【脱いい子宣言】#4
「自己肯定感を考える上で、《どうすれば自己を肯定できるのか》と考えることは大切です」
いい子をやめて自分軸で生きる「他人の顔色をうかがう」信念を書き換える
何やら禅問答のようでもあるが、こう説明するのはライフサポートクリニック院長の山下悠毅医師だ。
同クリニックは「お薬だけに頼らない治療」を心がけている心療内科でもある。
「自己」とは「自分」とも置き換えられるが、そもそも自分とは一体何なのだろうか?
「自分とは①自分に対する記憶、②他者からの評価で形成されます」と言ってこう続ける。
「人は、自分に対してさまざまな記憶を持っています。ど
こで生まれて、どんな学校へ通い、〇〇が得意で、××が好きだったといった具合です。
そして、この記憶こそが『自分』であると信じています。
そのため、嫌な記憶を思い出すと、自分に対する評価も下がってしまいます」
たとえば、「うまくプレゼンができなかった」「人前でうまく話せない」という嫌な記憶がある人は、自分に自信を持ちづらくなるだろう。
「何を覚えていて、何を覚えていないのかは、人によって異なります。
人は自分が覚えていることをベースに、『自分は〇〇という存在だ』と信じています」
その上で、他者からの評価が自己形成に大きく関わってくる。
「『〇〇さんは優しい人』と言われれば、『自分は優しい人』と自覚しますし、誰かと競って評価されると『自分は〇〇が得意な人』と認識する。
しかし、他者からの評価は必ずしも真実というわけではありません。
おべっかを言う人もいれば、あえて意地悪を言う人もいる。
ところが、人は他者からの評価をもって、『自分は〇〇な人だ』と信じてしまうのです」
自分の記憶は、数ある記憶の中から都合の良いものを選び、他者からの評価も第三者の主観や誤認が珍しくないため、山下医師は「“自分という概念”は存在しない」と言い切る。
「多くの人が、なぜ自己肯定感の不足に悩まされるのか……その答えもここにあります。
そもそも『存在していない自分』を肯定することはできないからです」
では、どうすればいいのか。
「①の自分に対する記憶に関しては、過去の記憶に対しての捉え方を変えていくことです。
良い記憶はそのまま、嫌な記憶については『そこから何を学べたのか』を自問自答し、その出来事を自身の行動を変えるチャンスにしていく。
②の他者からの評価に関しては、自分の仲間や味方を増やす生き方を学ぶことが大切で、私は(自己愛の)コフート心理学を推奨しています」
■「あれさえなければ」じゃアナタの勝手な解釈
過去の出来事に対して「あれさえなければ(しておけば)」と思うことがある。
しかし、「それは事実ではなく、あなたの解釈に過ぎない」と山下医師が話すように、「今が楽しい」という状況になれば、「あれさえなければ(しておけば)」は、自然と「あれのおかげで(今がある)」へと変わっていく。
自分の行動次第で、過去の解釈は変わるのだ。
(山下悠毅/精神科医 取材・文=我妻弘崇)
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