【以下ニュースソース引用】
「beの幸せ」が不可欠…世間的に価値があるとされる地位や年収のみで幸せは得られない【脱いい子宣言】
配信
【脱いい子宣言】#3
「自己肯定感はbeの幸せ、自己重要感はhaveの幸せです。この2つは似て非なるものです」
能登半島地震の映像でつらい記憶が…「震災フラッシュバック」気持ちを軽くする周りのサポート
そう話すのは「いい子をやめれば幸せになれる」の著者で、精神科医の山下悠毅氏。
「beの幸せ」とは、前回触れたように、自分が“大切にしているものを大切にしていると感じられる”心の状態のこと。
世話するペットが健康でいられることなど。
では、自己重要感の「haveの幸せ」とは何か? 「『出世をした』『年収が希望額に達した』
──こうした出来事は人に幸せな気持ちをもたらします。
しかし、このような『○○が手に入れば幸せ』という信念のみで人が幸福になることは困難です。
なぜなら、haveの幸せには、『○○が手に入るまでは幸せではない』といった信念もセットになるからです」
また、仮に手に入れたとしても、次は「○○も手に入れたい」といった高次の願望や、たくさん手にすればするほど「失う不安」も発生する。
「人間は、『haveの幸せ』のみで幸福になることは困難です。
世間的に価値があるとされる地位や年収など──、つまり自己重要感ではなく、自分が大切にしたい価値感を大切にできている際に得られる『beの幸せ』が不可欠なのです」
目標の達成がhaveで、自分が大切にしたい価値観をbeだと考えると分かりやすいだろう。
I have two cars→「私は車を2台所有している」と、I am challenger→「私(の大切な価値観)は挑戦者だ」と表現すると、異なる心のありさまだと理解できるはずだ。
■他の人にとっては面倒くさいことでも
「自分が大切にしたい価値観は、あなたにとって最重要の在り方であり、あなたの言動に紐づくものです。
大切な価値観が『勝負』の人は、数字を求められる職場に惹かれますし、『安定』の人は職場にマニュアルがなければ苦しくなります。
『達成』の人は、それを感じられるなら休みを返上してでも働くでしょう。
人は、最も大切にしたい価値観が満たされるなら、他の人が“面倒くさい”と考えることもエネルギッシュに取り組めるのです」
逆に言えば、それが満たされなければ、世間的に価値のある地位や年収を得ても満足できないというわけだ。
「私たちは、現在の境遇と自身の最も大切にしたい価値観が一致したとき、『beの幸せ』、すなわち自己肯定感を手にすることができます」
自分の価値観を中心に据えて生きていかないと、haveの幸せに振り回され、自己否定や自己欺瞞を続けてしまう。
「『自分にとって何が大切なのかが分かりません』とおっしゃる方がいますが、まずは自分のbeが何なのかを知ることが大事です。
そして、どう生きることがその価値観に沿うのか自問自答し行動することが、信念の上書きに必要なことです」
(山下悠毅/精神科医 取材・文=我妻弘崇)
【関連記事】