【以下ニュースソース引用】
SNSの使いすぎは不幸になる!? うつの原因にもなる「SNS疲れ」に効果的な対処法とは
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私たちの日常はストレスを感じることばかり。
家、職場、など場所を問わず、いつでもストレスにさらされています。けれど、ストレスを本当に『ゼロ』にしてしまうと、成長する機会を逃してしまうことも。
そこで今回は、精神科医・樺沢紫苑さんの著書『ストレスフリー超大全』から、誰しもが悪いストレスを感じやすいテーマを深掘りし、「科学的なファクト」と「今すぐできるToDo」をご紹介します。
ファクトをつかみ、ToDoを知れば、悩みの9割は解決するとのこと。
あとは行動するのみ!
悪意を向けてくる人へーー精神科医に聞いた、心を守るための「丁寧系スルー言葉」の使い方
「SNS疲れ」に効果的な対処法とは?
スマホユーザーが増え、「SNS疲れ」を感じている人は、非常に多いことでしょう。
SNSに関する調査で「SNS疲れの経験がある」と答えたのは、全体の42.7%。最も高かったのは20代の女性で、なんと65.0%にも及んでいます。
SNSユーザーの4割以上が経験している「SNS疲れ」。
そのまま放置すると、「脳疲労」や「うつ」の原因にもなりますので看過できません。
【ファクト①】SNSを使いすぎると不幸になる
「SNSでたくさん交流すると、相手と仲良くなれる」と思っていませんか。
学生で1日、数十回もメッセージ交換している仲なのに、相手の一言が気に入らず喧嘩になったり、たまたま30分「既読無視」になっただけで喧嘩になる、ということが起きます。
心理学で「ヤマアラシのジレンマ」という概念があります。
寒さの中、2匹のヤマアラシがいます。離れていると寒いので、体を暖め合うために体を寄せ合おうとします。
しかし、近づきすぎるとお互いの「針」が相手に刺さって、痛みを感じます。2匹は近づいたり離れたりを繰り返しながら、お互いに傷つかず、ちょうどよい距離を見つけます。
このたとえは、心理的な距離が近すぎると傷つけ合うことになり、適度な距離感が重要だということを教えてくれます。
この心理がわかれば、たとえば、恋人同士のときはラブラブだったのに、結婚した途端に喧嘩が増える理由もわかるはずです。
心理的距離が近すぎると、相手の悪い部分が多く見えてくるし、「親しいから」という甘えによって、思っている本音を感情的に言ってしまうことも増えるでしょう。
SNSは、心理的距離を縮めるのに絶大な効果がありますが、使いすぎると、心理的距離が近くなりすぎて、トラブルを起こしたり、人間関係を悪化させます。
また、ミシガン大学の研究では、Facebookを使えば使うほど、落ち込んだ気分になり、生活満足度が下がり、主観的な幸福も低下することが明らかにされました。
SNSは、あくまで「道具」です。上手に使えば、コミュニケーションを深めることができる一方で、使いすぎたり、使い方を間違えると、人間関係を悪化させたり、幸福度を低下させます。
それを避けるために、SNSを「リアルなコミュニケーションの補完ツール」として扱うことです。
あくまでも、「リアル」を重視し、SNSは補助的に使えば、そんなに疲れることはありません。
SNSの世界がメインになってしまうと、SNSに振り回され、疲れが生じるのです。
【ToDo①】大切な人とだけつながる
人間が同時につながれる人数は限られています。
ですから、LINEで20人以上の人とつながって、毎日のようにやりとりするのは、人間の脳のキャパシティを超えています。
たくさんの人とつながっている限り、「SNS 疲れ」が起きるのは当然です。
あなたの友達や知り合いを親しい順に10人、名前を書いてみてください。
書き出した10人(特に上位の3、4 人)とのコミュニケーションに時間をかけるのはよいでしょう。
しかし、そこに入らなかった人は、たいして親しくもない人なので、最優先で返信する必要はありません。
それなりの頻度でコミュニケーションすれば十分です。
【ファクト②】「やらされ感」こそが「疲れ」の原因
また、「SNSに疲れやすい人」と「SNSに疲れにくい人」がいます。
その特徴を表にまとめました。
ここで重要なのは、「やらされ感」を持ってSNSをしていると、SNS疲れを招くということです。
SNSの利用で「コントロール感」を持っている人は、SNSを上手に、楽しく使えています。
あなたは、「SNSで疲れやすい人」と「SNSで疲れにくい人」のどちらに当てはまりますか。
もし疲れやすいのであれば、本当に疲れ切ってしまう前に、SNSの使い方・関わり方を改めるべきです。
【ToDo②】SNSの使用を上手に制限する
SNSとの付き合い方を見直すために、2つの方法を紹介しましょう。
(1)SNSは2つ以下に絞る
Facebook、LINE、Twitter、Instagram。
さまざまなSNSがありますが、あなたはいくつのSNSを使っていますか。
複数のSNSを使っていると、休憩時間に一通りチェックするだけで、かなりの時間をとられます。
ストレスなく使うために、SNSは2つ以下に絞りましょう。
自分が重点的に使うSNS以外は、スマホからアプリを削除します。
見られなくなれば「SNS疲れ」は大幅に緩和します。
(2)SNSを見る時間を決める
ほとんどの人は、SNSを無制限に見ます。
仕事の休憩時間、人を待つ時間、通勤時間、そして歩いているときでさえ。
まさにスマホ依存症です。
私の場合は、「SNSはパソコンを起動したときにしか見ない」というルールを設けています。
すると、チェックするのは1日で4~5回くらいに抑えられ、SNS利用時間は1日30分以内になります。
スマホでSNSを見ないだけで、かなりの時間が浮きます。
あるいは、「電車に乗っている間は必ず読書する」と決めるだけでもSNSの利用時間は大きく減少します。
【ToDo③】アウトプットツールとしてSNSを活用する
私はSNSを、友達との連絡や交流のツールというよりも、情報発信ツール、アウトプットのツールとして活用しています。
本を読んだらFacebookに感想を書き、映画を見たらブログに感想を書きます。
何百人、何千人もの人が読み、100以上の「いいね!」が付くと、楽しくてしょうがありません。
「アウトプット型の交流」をすると、たった1回の投稿で100人以上とつながることができます。
従来の「個別型の交流」だと、100人と1回ずつ交流するのに、100回のメッセージを書く必要があります。
「アウトプット型の交流」では「個別型の交流」と比べて、100倍以上も効率よく交流でき、一度にたくさんの人と親密度を高めることができるのです。
メッセージは、「相手に強制的に読ませる」ものですが、タイムライン投稿は相手のタイミングでヒマなときに読んでもらえ、ストレスを与えません。
心理的距離が適度に保たれるので、ヤマアラシのジレンマも回避できます。
逆に、SNSをインプットツールとして使っている人は、仕事中や勉強中にもついSNSを見てしまい、生産性を下げます。
私の独自調査(175人)によると、1週間以内にスマホで見たニュースやブログの情報を可能な限り思い出してもらう実験で、思い出せた個数は約3.9個でした。
これは、1週間のインプット量のわずか3%に相当します。
つまり、インプットツールとしてスマホやSNSを使っても、97%は忘れてしまうのです。
SNSは「アウトプットツール」として活用することでこそ、本当の威力を発揮するのです。
【ファクト③】承認を求めすぎない
インスタグラマーのインフルエンサーが、「いいね!」がたくさん付く「映える」写真を撮りたくて危険な自撮りをし、転落事故などで怪我をしたり、中には死に至るような事故まで起こっています。
「いいね!」が付くと、たしかに承認欲求が満たされるので楽しいのですが、行動がエスカレートしていってしまうのです。
他者からの承認を求め、他者からの評価ばかりを気にしていると、最終的には他者の人生を生きることになる。
― アルフレッド・アドラー(オーストリアの心理学者)
「マズローの欲求5段階仮説」では、「承認欲求」は上から2段階目の欲求として、非常に重要な欲求と位置づけられていますが、アドラー心理学では、「承認欲求」は否定されています。
他人の承認を求めるために行動すると、他人に迎合する生き方になる。
結果として自分の人生が生きられないので、不幸になると説きます。
私は、承認欲求は一概に悪いものとはいえないと考えます。
実際、私もYouTubeに毎日動画を更新していますが、視聴回数が10万回を超えるとうれしいものです。
しかし、それに踊らされることとは別の話です。
私は実際にYouTubeのフォロワーの人と交流会などでリアルで会うようにしています。
実際に会って、「動画の内容を実践したら、病気がよくなりました」という話を生で聞くことは、画面上に表示される「1000いいね!」よりも、はるかに価値があり、大きな喜びを感じます。
「ネット内だけの世界」に浸かっていると、「いいね!」を1つでも増やすことに躍起になり、現実を見失ってしまいます。
きちんと現実世界に根ざすことが重要です。
さらに学びたい人は
『時間術大全 人生が本当に変わる「87の時間ワザ」』ジェイク・ナップ、ジョン・ゼラツキー著、ダイヤモンド社)
難易度★★
スマホやSNSの使いすぎに注意しましょう。
ネット回線を切断したり、スマホの使用を制限するデジタルデトックスなどが推奨されますが、その決定版が本書です。
さまざまな時間術が紹介されていますが、最も強調されているのは、スマホの使用時間を減らすことです。
具体的なノウハウとしては、「ホーム画面をからっぽにする」「20桁くらいの長いパスワードを設定する」「毎回、必ずログアウトする」「SNSアプリをすべて削除する」「通知をオフにする」「デバイスを(会社などに)置いて帰る」といった過激なテクニックが紹介されています。
実践すれば間違いなくスマホ依存から脱却し、自由な時間を手に入れられることでしょう。
▼著者プロフィール▼
樺沢紫苑(かばさわ・しおん) 精神科医、作家。1965年、札幌生まれ。1991年、札幌医科大学医学部卒。2004年からシカゴのイリノイ大学に3年間留学。帰国後、樺沢心理学研究所を設立。「情報発信を通してメンタル疾患、自殺を予防する」をビジョンとし、YouTubeチャンネル「樺沢紫苑の樺チャンネル」やメルマガで累計100万人以上に精神医学や心理学、脳科学の知識・情報をわかりやすく伝える、「日本一アウトプットする精神科医」として活動している。 今回紹介したのはこちら! 『精神科医が教える ストレスフリー超大全 ―― 人生のあらゆる「悩み・不安・疲れ」をなくすためのリスト』 樺沢 紫苑 著/ダイヤモンド社
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