【以下ニュースソース引用】
「人から嫌われないための努力」は99%無駄! 精神科医がすすめる“人間関係を良くする”2つの方法
配信
私たちの日常はストレスを感じることばかり。
家、職場、など場所を問わず、いつでもストレスにさらされています。
けれど、ストレスを本当に『ゼロ』にしてしまうと、成長する機会を逃してしまうことも。
そこで今回は、精神科医・樺沢紫苑さんの著書『ストレスフリー超大全』から、誰しもが悪いストレスを感じやすいテーマを深掘りし、「科学的なファクト」と「今すぐできるToDo」をご紹介します。
ファクトをつかみ、ToDoを知れば、悩みの9割は解決するとのこと。あとは行動するのみ!
【漫画】間に合わない、ミスが多い…その失敗は「ADHD脳」のせい!?
“人から嫌われないための努力”は99%無駄!
「誰からも嫌われたくないか」と質問したある調査によると、42%が「はい」と答えました。
特に20代女子では嫌われたくない傾向が強く、54.6%にも及んでいます。
その対処法について説明していきましょう。
【ファクト①】好意の1対2対7の法則
次の一節を、初めて読んだとき、私はドキッとしました。
10人の人がいるとしたら、そのうちの1人はどんなことがあってもあなたを批判する。
あなたを嫌ってくるし、こちらもその人のことを好きになれない。
そして10人のうちの2人は、互いに全てを受け入れ合える親友になれる。
残りの7人は、どちらでもない人々だ。
―( ユダヤ教の教え、『嫌われる勇気』より)
私の経験でも、SNSのネガティブなコメント1に対して、好意的なコメントは2倍以上あり、そして7割ほどはコメントせずにただ読むだけの「サイレントマジョリティ」であると感じていました。
「嫌い1、好意2、中立7」。
これを「好意の1対2対7の法則」と呼びましょう。
この「サイレントマジョリティ(物言わぬ多数派)」は、積極的な意見は出しませんが、自分をフォローしている人たちです。
だから、明らかに好意です。
「中立」は、「プチ好意派」と考えてよいのです。
すると、あなたを嫌い、批判する人が1人いる場合、あなたを応援している人は9倍もいるわけです。
「好意の1対2対7の法則」は、あなたの周囲にも当てはまると思います。
職場に20人いるとしたら、あなたを嫌う人は2人くらいで、親しい人が4人という数字になるのではないでしょうか。
いろいろな性格や考え方の人がいます。
あなたと気の合う人もいれば、気の合わない人もいる。それは、当然です。
「全員と気が合う」ということもなければ「全員と気が合わない」ということもありません。
そんな状況の中で、「誰からも嫌われない」とか「全員と仲良くする」というのは不可能です。
あなたを嫌う人の2倍、好意的な人がいるし、まったく嫌っていない人がその7倍もいるのです。
たった1人からの誹謗中傷を受けて、SNSの投稿をやめてしまう人がいます。
しかし、その9倍の人たちが、あなたの投稿を楽しみに待っているとすると、とても残念なことです。
あなたは「嫌いな1割」の人に迎合することを優先し、その他の人を犠牲にするのですか。
それとも、あなたのことを大好きな2割の人を大切にして生きますか。
どちらが幸せに生きられるかは歴然としています。
「1対2対7の法則」をイメージするだけで、「自分には味方がいる!」ということが明確になり、勇気が湧いてくるのです。
【ファクト②】相手の感情は、相手の問題
「人から嫌われないようにしよう」という努力は、99%無駄です。
なぜならば、他人は簡単に変えられないからです。
Aさんが、あなたを「好き」と思うか「嫌い」と思うのかは、Aさんの感情であり、Aさんの意思が決めることです。
あなたのコントロールできる範囲外にあります。 他人と過去は変えられない。
― エリック・バーン(アメリカの心理学者) それにもかかわらず、実際問題として、「自分が変わる」ことを通して、相手の「好き」や「嫌い」を多少変化させることもできなくはありません。
実際、本章の後半ではその方法を紹介しますが、それには「時間」と「労力」が必要です。
一朝一夕ではできないと思ったほうがいいでしょう。
ですから、他人の感情は、自分ではコントロールできない、相手が自分を「嫌っている」かどうかを心配しても意味がないということを、しっかりと理解しましょう。
それではどうしたらいいのかというと、「自己変化」「自己成長」です。
自分の行動や言葉を変えることで、あなたの印象や感情は変わります。
人間を変えることはできませんが、人間関係は変えられます。
その第一歩が、「自分が変わる」ということです。
「人から嫌われたくない」と言う暇があるならば、「自分が変わる」ことを考え、そのための努力に1分でも1秒でも多くの時間を割くべきです。
【ToDo①】時間とエネルギーをキーマンに集中投下する
そうはいっても、自分の直属の上司など、自分から関係を変えにくい相手から嫌われると、かなり大変です。
一言でいうと「キーマン(鍵となる人物)」です。
逆に、自分の直属の部下も、仕事の指示を出していちいち反発されるようでは仕事が進まないので「キーマン」です。
誰からも嫌われない努力をすることはものすごく大変で、労多く実りが少ないです。
そんな時間があるのなら、自分の直属の上司や直属の部下といった大切な人とのコミュニケーションをとり、仲良くなる努力をすべきです。
時間は限られているので、「キーマン」とのコミュニケーションに、あなたの時間と精神エネルギーの大部分を注ぎましょう。
たとえば、あなたの同僚のBさんが、あなたのことを強烈に嫌っていたとしても、あなたの直属の上司との人間関係がうまくいっていて、あなたの仕事をきちんと評価してくれているのなら、Bさんがあなたのことをどう思おうが、それは些細な問題でしかありません。
イメージとしては、職場の中で重要な人物が3人いるとした場合、その3人との交流に時間とエネルギーを7割注げばいいのです。
これを「キーマンの7対3の法則」と呼びましょう。
他の人たちとは、ボチボチの関係性でいいのです。10人中1人の割合で嫌いな人があなたの周りにいるかもしれませんが、実はそれは些末な問題でしかありません。
周辺の「嫌いな人」に対しては残り3割の7分の1、つまり4%くらいのエネルギーを費やせば十分なのです。
同じ職場、部署で別チームの人など、直接仕事に関わらない人、机は近いけど仕事では直接絡まない人、滅多に言葉を交わさない人もいるはずです。
いちいち、そのような人たちのご機嫌をとる必要はありません。
精神のエネルギーと時間は限られたものですから、そのエネルギーをどこに費やすのか、それはあなたの重要な人に対して費やすべきです。
「みんなから嫌われない」はやめましょう。キーマンとうまくいっているのなら、それで十分です。
「みんなから嫌われない」をやめて「キーマンとしっかり関係性を築く」。
それだけで、人間関係はものすごく楽になります。
あなたにとってのキーマンは誰か。実際に3人の名前を書いてみましょう。
あなたは、この人たちとのコミュニケーションに時間とエネルギーを費やしてください。
それ以外の人とのコミュニケーションは、ボチボチでいいのです。
【ToDo②】「嫌われない」から「好かれる」にシフトする
人から嫌われないようにするのは難しいことです。
「相手のご機嫌をとる」
「相手の反感を買わないようにする」
「反発を受けないように自分の意見を言わない」
これらは、自分を殺すことです。
自分を前面に出さず、無難に振る舞ってしまうのは、「偽りの自分」を生きることです。
自分を抑圧して生きることを長く続けるとストレスになり、結果として、楽しい人生を送れません。
「人から嫌われないようにする」という言葉自体が、非常にネガティブなのです。
「嫌われる」と「ない」、2つもネガティブ語が含まれています。
「苦手な数学を克服しよう!」と目標を立てても、モチベーションは上がりません。
一方、「数学を得意科目にしよう!」というポジティブな言葉だけの目標なら、「頑張ろう」という気持ちになります。
「人から嫌われないようにする」から「人に好かれるようにする」に、切り替えればいいのです。
「嫌われない」と「好かれる」、同じ意味のようですが、実際の行動を比べてみるとかなり違ってきます。
人に「嫌われない」ためには、「自分の短所を隠す」「人に嫌われることをしない」つまり「自分を押し殺す」ことが必要です。
そして、それは「苦しい」ことです。
人に「好かれる」ためには、「自分の長所を人に見せていく」「人に喜ばれることをする」、つまり「自分を表現する」ことです。
そして、それはとても「楽しい」ことです。
自分の長所を相手に知ってもらい、相手を応援し、貢献し、笑顔で接する。
その結果として、それでも相手が自分を嫌うのであれば、そんな人と無理して付き合う必要はまったくないのです。
さらに学びたい人は
『嫌われる勇気― 自己啓発の源流「アドラー」の教え』(岸見一郎、古賀史健著、ダイヤモンド社)
難易度★★★
心理学者のアルフレッド・アドラーに、「人から嫌われたくない」と相談したら、どんなアドバイスが返ってくるでしょうか。
他人が嫌おうが、何をしようが、「見返りを求めず相手を信頼し、相手に貢献すること」が重要だとこの本では結論づけています。 見返りを求めない「信頼」と「貢献」
そこで自分が満足できれば、相手から嫌われようが、自分は幸せになれます。
見返りを求めるから戦々恐々とし、相手の顔色をうかがおうとします。
それは、相手の人生を生きることであり、自分の人生を生きることではありません。
相手が自分を嫌うのは、相手の課題であり、自分の課題ではないのだから、そこを心配したり、不安になっても意味がありません。
自分がコントロールできることは「見返りを求めず相手を信頼し、相手に貢献すること」。
その一点です。
本書では、自分の考え方を変え、自分が行動するだけで「幸せになれる」というアドラー心理学の本質部分を学べます。
▼著者プロフィール▼
樺沢紫苑(かばさわ・しおん) 精神科医、作家。1965年、札幌生まれ。1991年、札幌医科大学医学部卒。2004年からシカゴのイリノイ大学に3年間留学。帰国後、樺沢心理学研究所を設立。「情報発信を通してメンタル疾患、自殺を予防する」をビジョンとし、YouTubeチャンネル「樺沢紫苑の樺チャンネル」やメルマガで累計100万人以上に精神医学や心理学、脳科学の知識・情報をわかりやすく伝える、「日本一アウトプットする精神科医」として活動している。 今回紹介したのはこちら! 『精神科医が教える ストレスフリー超大全 ―― 人生のあらゆる「悩み・不安・疲れ」をなくすためのリスト』
樺沢 紫苑 著/ダイヤモンド社
【関連記事】