【以下ニュースソース引用】
いい子をやめて自分軸で生きる「他人の顔色をうかがう」信念を書き換える(山下悠毅)
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【脱いい子宣言】#1
「信念」と耳にすると、ポジティブな印象を抱く人は多いはず。
しかし、「信念によって、自らを生きづらくさせてしまうケースがある」と語るのは、精神科医の山下悠毅氏だ。
信念が変われば思考が変わり、行動が変わる。あるべき心の持ちようを聞いた。
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もしあなたが、『生きづらい』と考えているなら、いい子でいることをやめてみましょう」
そうアドバイスを送るのは、ライフサポートクリニック院長の山下医師。同クリニックは、認知行動療法や運動療法を活用し、「お薬だけに頼らない治療」を心がけている心療内科でもある。
■本当の自分が分からない
「いい子をやめるとは、他者からの評価ではなく自分軸で生きる──という意味です。
いい子であるデメリットは複数ありますが、1つあげるとするならば、いつも相手の言動に気を使っていると、『本当の自分』が分からなくなることです」
他者を気にするがあまり、ひとりになると「何をしたらいいか分からない」「自分はいったい何者なのか」と戸惑ってしまう人は少なくないはず。
何かと「ご機嫌取りをしてしまう」というケースも、結局のところ他者を意識しているからだ。
「私たちの行動の背景には、無意識レベルで“信じているもの”があります。
そうした事柄や価値観を『信念』と置き換えたとき、人間の行動は、その信念によって左右されます」
たとえば、人混みの中でマスクをする人は、「マスクをすることが感染予防になる」と信じ、マスクをしない人は、「マスクをしても感染の予防効果は乏しい」と信じている。
これらの信念は、過去の記憶や経験によって育まれ、「心の問題も同様」だと山下氏は説明する。
「私が、“生きづらい”と感じている方を診察すると、その方の幼少期には、親や養育者との人間関係の問題が浮き上がってきます。
人は『幼少期の体験』によって心の病を発症するのではなく、『幼少期の体験』によって形成された、生きづらくなる“信念”によって苦しんでしまうのです」
感情の起伏が激しい親に育てられたなら、「人のご機嫌を取ることが最重要」という信念が育ってしまい、父親が長らく不倫を続けていたならば、「結局、男は浮気をする」といった信念が芽生える──。
自分の経験則が信念と化し、知らず知らずのうちに今の自分の行動に影響を与えている。
つまり、「他人の顔色をうかがった方がいい」「自分を犠牲にした行動を取った方がいい」といった、信じるに値する体験を積み重ねてきたからこそ、他者の評価軸を気にする“いい子”的な行動を繰り返してしまう。
その結果、本当の自分が分からなくなり、ストレスを抱えるようになってしまうと、山下氏は指摘する。
「自分軸で生きることができないのは、『素のまま、ありのままの自分を認めることができないあなた』が原因です。
こうした悩みから解放されるには、『体験によって育まれた信念』を書き換えることが重要です」
次回からは、その「信念」を上書きするために必要なことを解説していく。
(山下悠毅/精神科医 取材・文=我妻弘崇)
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