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「大阪・関西万博を中止せよ!」カジノ反対と連動してデモや集会が活発化

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週刊金曜日

12月10日、大阪市内で「ゼネコンばかりが儲けてる」などと訴えるデモ参加者。(撮影/平野次郎)

 

 大阪湾の人工島・夢洲での「2025年大阪・関西万博」の開催が危ぶまれる事態になっている。

 

海外パビリオンなどの工期の遅れや会場建設費などの膨張に対する批判が高まる中、同じ夢洲で計画されているカジノを中心とする統合型リゾート(IRカジノ)への反対と連動しつつ万博中止を求める市民運動が活発化している。

 

  12月8日に大阪市淀川区で「止めよう!カジノ よどがわ」主催の万博とカジノに反対する集会があり、約60人が参加。

 

今年7月に休刊した『大阪日日新聞』元記者の木下功さんが講演。

 

「万博のリスク」として次の3点を指摘した。

 

  一つ目は25年4月13日の開幕に間に合うのかという問題だ。

 

日本建設業連合会の宮本洋一会長(清水建設会長)が6月末の記者会見で、海外パビリオンの中には設計段階にも入れていないタイプがあり、開幕に間に合うのかとの疑問を投げかけたのを機に、建設工事の遅れが一斉に報道されるようになった。

 

参加を表明している160の国・地域のうち56の国・地域が独自に設計を凝らして建設する「タイプA」が間に合いそうにない。

 

日本国際博覧会協会(万博協会)は組み立て式箱形建物「タイプX」への変更を各国に提案しているが、現時点で変更を表明しているのは2カ国にすぎない。

 

  さらに工事の遅れに繋がりそうなのが、夢洲への道路のルートが橋とトンネルの各1本しかなく、並行して進むIRカジノの工事と重なって車両の渋滞が一層ひどくなることだ。

 

そのうえ24年4月から時間外労働の上限規制が建設業に適用されるため、労働者に長時間労働を強いることができなくなり、人手不足がより深刻化する。

 

  二つ目は費用がどこまで膨らむのかという問題。会場建設費は当初1250億円を想定していたが、20年12月に会場のシンボルとなる大屋根の設計変更などが生じたため1850億円へ上振れ。

 

今年11月には建築資材や労務費の高騰を理由に2350億円と当初の2倍近くまで上振れすることが決まった。

 

この他にも大阪メトロ延伸やアクセス道路、上下水道などのインフラ整備費を含む建設費の総額のうち大阪府・市負担分が示されていないのが問題だ。 

 

 三つ目は万博会場の安全性の問題。

 

入場者の輸送計画では大阪メトロの混雑率を約140%とし、他はシャトルバスを運行するとして運転手を募集しているが、IRカジノの工事が本格化すると渋滞事故が心配される。

 

23日には御堂筋パレード

 夢洲は恒常的に地盤沈下し地震による液状化の恐れもある軟弱地盤であり、台風や地震によってトンネルや橋が通行止めになると、最大で1日20万人超と見込まれる来場者が島内に取り残されることになる。

 

だが食料・飲料水の備蓄や避難施設などができていない。

 

一人でも亡くなるようなことがあれば、信用問題にかかわってくる。

 

こうしたリスクが解決できないなら、万博は中止すべきだ。

 

  12月10日には同市東住吉区で、「カジノはいらん!住吉の会」などが主催する「あびこ筋ストリートウォーク」に約130人が参加。

 

「万博やめよ!カジノはいらん!」「巨額の税金を浪費する万博は即時中止を!」などの横断幕を掲げてデモ行進した。

 

同会の貝田達男代表は「建設費の上振れが問題になってきたので万博でも何かやらなければと思っていた。

 

それぞれの地域で声を上げて万博の問題点を訴えていくことが大事ではないか」と話す。 

 

 こうした東住吉区のデモや淀川区の集会を主催した市民団体は、去年6月にカジノの是非を問う住民投票条例制定を求める署名約21万筆を集めた運動の中から生まれた。

 

他にも同市城東区や、東大阪、豊中、吹田、枚方、寝屋川の各市などで署名運動に取り組んだ団体が、地域ごとに万博中止を求める集会やデモ、街頭宣伝を繰り広げている。

 

12月23日にはこれらの市民団体が結集した実行委員会が大阪市西区の靭公園で「万博中止!カジノはいらん!」の集会を開き、1000人規模の「御堂筋パレード」を計画している。

 

平野次郎・フリーライター

 

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