【以下ニュースソース引用】
これからも花を楽しんで。代わりのいない、頼もしい母へ
フラワーアーティスト
1976年生まれ。2002年より花屋を営み続け、現在は東京・南青山にてオートクチュールの花屋「J …
ボタニカル・フォトグラファー
2002年、東信とともに、銀座にオートクチュールの花屋「JARDINS des FLEURS」を …
フラワーアーティストの東信さんが、読者のみなさまと大切な誰かの「物語」を花束で表現する連載です。
あなたの「物語」も、世界でひとつだけの花束にしませんか?
エピソードのご応募はこちら。
〈依頼人プロフィール〉
小林祥子さん(仮名) 58歳
アルバイト
大阪府在住
◇
83歳の母は、関東で生まれ育ち、東京で父と結婚して仕事の関係で、遠い地方都市に住みました。
今は、父の故郷に近い関西での生活。
私は結婚して、母の住む町の近くから週1回母の元へ通っています。
父が亡くなって10年近く経ちます。
現在は、持病を患っている妹と2人暮らし。母も病気のため、長く歩くことができず、買い物や外出にも少しずつ不自由が生じてきています。
とはいえ相談事を親身になって聴く性分のため、親しくなった友人もいて、電話やたまには会って会話を楽しんでいるようです。
娘の私にとってはとても頼もしい母です。
何か相談したいことや愚痴をこぼしたいときの一番の相談相手でもあります。
どんな愚痴も聞いてくれる母は、私の母であって、同時に友人でもあり、ほかの人が代わりをできない、唯一無二の存在です。
そんな母の趣味は花や草木を育てること。年々体の自由が利かなくなってきているなか、30年以上住んで、大きな木になったキンモクセイのある庭に、ピレア、ブライダルベール、子宝草、ベンケイソウ、マツバボタンなど、十数種類の鉢植えを育てています。
それが母の元気の素ともなっているのですが、夏の暑さが年々厳しさを増してきていて、母の体力も、花や草木もお疲れ気味。
とくに暑さが「災害級」とも言われた今年は、いくつかの鉢が枯れてしまい、母もとても残念がっていました。
母は、お花を飾ることも好きです。
切り花をたくさん届けると、母ならではのアレンジに仕立て、玄関に飾っています。
お花を習ったことがあるわけではなく、どちらかというと季節、季節に合わせたアレンジが多いです。
それが家にやってきた近所の人の目にとまり、「お花をされていたのですか?」と褒められることも多いそうです。
穏やかな秋を心待ちにしている母に、四季折々の日本の美しさを感じさせる花束を贈りたいと思います。
これからもずっと、花をめでる時間を楽しめますようにという願いを込めて。
花束をつくった東さんのコメント
お花がお好きで、アレンジもなさるという83歳のお母さま。
世話をなさっているというご自宅の庭では、秋にはキンモクセイがいい香りを振りまきながら黄色い花を咲かせている光景が目に浮かぶようでした。
お母さまは和のものがお好みとありましたので、日本の秋冬の風景をイメージしたブーケです。
ススキ、ケイトウ、アマランサスなど、本格的な冬がくる直前の季節を思い浮かべて、オレンジブラウンの落ち着いた色味でまとめています。
お母さまも、ご自身のアレンジを楽しんでいただければと思います。
文:福光恵
写真:椎木俊介
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読者のみなさまから寄せられたエピソードの中から、毎週ひとつの「物語」を、フラワーアーティストの東 …
読者のみなさまから「物語」を募集しています。
こんな人に、こんな花を贈りたい。
こんな相手に、こんな思いを届けたい。
花を贈りたい人とのエピソードと、贈りたい理由をお寄せください。
選んだ物語を元に東さんに花束をつくっていただき、花束は物語を贈りたい相手の方にプレゼントします。
その物語は花束の写真と一緒に&wで紹介させていただきます。