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岸田政権が「年内で終わる」可能性…「霞が関の動き」からわかる政権が倒れる「兆し」

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現代ビジネス

岸田政権は年内に倒れるのか

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 岸田文雄内閣の支持率が急落している。

 

「年内に政権が倒れるかもしれない」という見方も現実味を帯びてきた。

 

だが、問題は「誰が首相の首に鈴を付けるのか」だ。

 

岸田首相には、力強い援軍もいる。

 

米国である。これから、永田町はどう動くのか。

 

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 まず、最近の各社世論調査を見よう。

 

  朝日新聞の調査(18~19日)では、内閣支持率は前回調査に比べて4ポイント下落し、25%になった。

 

逆に不支持率は5ポイント増えて65%に達した。

 

読売新聞(17~19日)の調査だと、支持率は同じく10ポイント下落して24%、不支持率は13ポイント増えて62%。

 

産経新聞(11~12日)は支持率が7.8ポイント下落して27.8%、不支持率は9.2ポイント増えて68.8%といった結果である。

 

他の調査も同様だ。

 

  私は、なかでも読売に注目している。

 

読売は「政界のドン」として知られる渡邉恒雄グループ本社代表取締役主筆が、岸田首相と同じ開成高校の出身で、かねて永田町・霞が関では「岸田応援団」の団長格とみられているからだ。

 

  そんな読売でさえ、政権発足後最低どころか、自民党が2012年に民主党から政権を奪還して以来、最低の数字を記録した。

 

だが、読売が「岸田政権を見放した」とは言えない。

 

  11月21日の社説は「政府・与党と十分な調整を経ていないから、具体策や財源がなかなかまとまらないのだろう。

 

首相は正念場を迎えている。これまでの政局運営を虚心に反省することが重要だ」とエールを送っている。

 

「もっと、がんばれ」という声援である。

福田政権が倒れた時

福田退陣を予告した「月刊現代」2008年10月号

 

 政権が倒れるときは、どんな状況なのか。

 

  健康問題で退陣した安倍晋三元首相と衆院選で敗北し、退陣した麻生太郎首相を除くと、直近では、2008年に自ら退陣表明した福田康夫政権と、21年に自民党総裁選不出馬を表明して退陣した菅義偉政権が参考になる。

 

  私は「福田退陣」に特別の感慨がある。というのは、当時、連載していた「月刊現代」(現在は休刊)で、福田政権の退陣を事実上、予言する形になったからだ。

 

「麻生&公明党が仕掛ける福田内閣10月退陣」と題した、その記事は2008年10月号に掲載された。

 

  同年9月1日に雑誌が発売されると、まさにその夜、福田首相は緊急記者会見を開いて退陣表明した。

 

予想した10月よりも1カ月早かったが、政局の読みは「間違っていなかった」と思う。

 

当時、取材した複数の総理経験者を含む自民党関係者から、その後も記事の間違いや勘違いを指摘されたことはない。

 

  福田退陣は事実上、麻生太郎氏と公明党のタッグマッチが仕掛けた政局劇だった。

 

  早くから「ポスト福田」への意欲を見せていた麻生氏は、公明党に幹事長会談を持ちかけて接近する一方、公明党の太田昭宏代表(当時)は福田首相との休日会談を「盆踊り大会への出席」を理由に断り、政権に距離を置いていた。

 

  いくらなんでも「盆踊り」を理由に首相との会談を断る与党党首など、まったく異例だった。

 

公明党は、内閣支持率が下がるなか「このままでは、翌年に控えた都議選や衆院選に勝てない」と危機感を強めていたのだ。

 

  当時は自民党と公明党の与党が衆院で、野党の民主党が参院で多数を握る「ねじれ国会」だった。

 

税制改正法案を成立させるためには、公明党の賛成を得て、与党が衆院で3分の2以上の多数を得て、再議決する必要があった。

 

  事実上、政権存続のキャスティングボートを握っていた公明党は、再議決に反対する意向をちらつかせて圧力をかけ、福田に退陣を迫ったのだ。

 

私が有力な自民党関係者に「公明党は福田倒閣に動いているのではないか」と確認すると、彼は「そういうことだ」と認めた。

注目するべきは霞が関の動き

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 ここでのポイントは「ねじれ国会」と「公明党の意向」である。

 

  菅政権の場合は、どうだったか。

 

  菅氏は政権発足以来、衆院解散を模索してきたが、新型コロナの感染が収まらないなか、解散の機会を逸したまま、総裁選が間近に近づいてしまった。

 

一時は衆院選後に総裁選をする選択肢も検討したが、党内から強い反対論に遭ってしまう。

 

  当時の内閣支持率は、読売の調査で9月に31%である。

 

1年前の発足時には74%だったので、まさに崖から転落したような急降下だった。

 

菅氏は21年9月1日、ついに「解散できるような状態ではなく、自民党総裁選の先送りも考えていない」と明言する。

 

  一方、岸田氏は8月26日、総裁選に立候補する意思を表明していた。

 

結局、菅氏は21年9月3日、任期満了に伴う自民党総裁選を間近に控えて、退陣を表明した。

 

ポイントは「迫る自民党総裁選」と「解散権封じ」、それに「岸田氏の立候補表明」である。

 

  以上の経過と現状を比べると、何が言えるか。

 

  福田政権が味わった「ねじれ国会」の苦しさは、いまはない。

 

公明党は所得税の定額減税と低所得者への補助金支給を勝ち取り、岸田首相に反旗を翻す理由がない。

 

岸田首相は当面の衆院解散を否定したが、自民党総裁の任期も衆院の任期も残っている。

 

  ポスト岸田に名が挙がる茂木敏充自民党幹事長、河野太郎デジタル担当相、高市早苗経済安全保障担当相、西村康稔経産相、萩生田光一自民党政調会長といった有力なライバルは、いずれも閣僚か自民党役員として政権内に取り込まれている。

 

  総裁選に立候補表明した当時の岸田氏は、政調会長を退任した後で無役だった。

 

いま無役で知名度があるのは、石破茂元幹事長(自民党総務)くらいではないか。

 

小泉進次郎元環境相は衆院安全保障委員会の筆頭理事だ。

 

  となると、いったい誰が政権に弓を引くのか。

 

  私は、霞が関の動きに注目している。財務省は増税を封印し、減税を言い出した岸田首相に内心、怒りをたぎらせている。

 

税金の滞納問題で辞任した神田憲次財務副大臣の税務情報を握っていたのは、財務省だ。

 

東京地検特捜部は自民党5大派閥の政治資金不適切処理問題をメディアにリークした。

 

彼らは事実上、倒閣に動いている、と言っていい。

 

  だが、首相には「米国という最強の味方」がある。

 

  岸田首相は来春、米国を公式訪問する方向で調整に入ったと報じられた。

 

ジョー・バイデン大統領の招待を受けて、国賓待遇での訪米という。こうなると、自民党議員の間に「訪米を終えるまでは、表立って倒閣に動きにくい」という心理も働くだろう。

 

  バイデン政権にとって、岸田氏は「使い勝手のいい存在」だ。

 

防衛費は大幅に拡大した一方、核武装は完全に封印している。

 

米国依存を続ける一方、米国が設定した大枠からは、けっしてはみ出さない「聞き分けのいい子分」なのだ。

 

  こうしてみると、岸田政権はたしかに土俵際に追い詰められてはいるが、首の皮一枚を残して踏ん張っている状況だ。

 

だが、この先、財務省や東京地検の情報を基に、大スキャンダルが火を噴く可能性はある。

 

政局は、まさに「一寸先は闇」の世界に突入した。

 

長谷川 幸洋(ジャーナリスト)

 

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