【以下ニュースソース引用】
3階←なんと読みますか?
「さんかい」ではありません
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「3階」、この言葉、何と読みますか?
正解は……「さんがい」です。「か」ではありません。「が」です。濁ります。
ところが、最近「さんかい」という言い方をよく耳にします。とあるショッピングセンターの
館内放送。
「さんかいの売り場までお越しください」なんて聞きますと、「ちゃう、さん『が』いや」と、
ひとりで突っ込んでいます。
なぜ「さんかい」ではなく、「さんがい」なのか。
伝統的に日本語では「ん」がつく後の言葉は濁ることが多いとされています。3階は
「さんがい」と読みます。『NHKことばのハンドブック第2版』の数詞の読み方一覧にも載って
います。
あの広辞苑にも「さんがい」はありますが、「さんかい」は載っていません。 「ん? それは
おかしい。
『ん』の後が濁るのであれば、4階は『よんがい』と言わなければならないのでは?」、そんな
ご指摘をするあなた!
鋭いです。本来であれば「よんがい」にならなければいけないのに、なぜ濁らないのか?
みなさん、1から10まで声に出して数えてみてください。「いち、にぃ、さん、しい、ごぉ、
ろく……」。
では、今度は反対に10から1まで数えてください。「じゅう、きゅう、はち、なな……」。
何かおかしいと思いませんか?
呼び方が変わる数字がありませんか? 「4」と「7」、「9」もですね。 「4」は、本来の読み方は
「し」です。
では、これを「階」の前につけてみると「しかい」。死海? 視界? 司会? 何となく「死」を
連想する方や、違う言葉と捉える人もいるかもしれません。そうしたさまざまな理由があって、
「『よん』かい」と変わっていったようです。
ただ、現代では若い方を中心に「さんかい」と言う方もかなり増えています。今後は辞書に、
注釈つきなどで紹介される可能性は否定できません。
余談ですが、私たちアナウンサーは「よん」と「し」を使い分けることがあります。聞いている
人たちに、よりわかりやすく伝えるとともに、聞き間違いを避けるためです。でも、言い換えて
はいけない場合があります。
赤穂義士は「四十七士=しじゅうしちし」、映画『二十四の瞳』は「にじゅうしのひとみ」の
ように、地名や固有名詞などは、勝手に変えることができません。
言葉は時代とともに、その意味も使い方も変化します……が、変わらないものや、変えては
いけないものがたくさんあります。「ことばコトバ」では、こうした言葉の楽しさを紹介していき
ます。
(「ことばコトバ」第9回 ラジオ関西アナウンサー・林真一郎)
ラジオ関西