エリック・ハイドシェック という人。1936年フランス生まれのピアニスト。
恥ずかしながら私は名前は聞いたことがあるけど、演奏は聴いたことがなかった💦
旦那さんは音楽が全般的に好きなので、いつも中古屋さんでいつの間にやらいろんなCDを探し出してくる。ピアノ曲ももちろんある。
いつものように旦那さんが部屋でCDをかけたら、
シューマンの「子供の情景」が流れてきた。
「これ誰??!」 (゜o゜)
これまでに一度も聴いたことのないような「子供の情景」の演奏で、衝撃というか、かなりびっくりした。
この曲はもちろん知ってるし、確かアルゲリッチのCDも持っていたはず。
でも実は私はシューマンがなんだかちょっと苦手なんだな。
弾いていて手に馴染まないというか、弾きにくく感じて敬遠していて、実際のところシューマンの作品はトロイメライとアラベスク以外はきちんと弾いたことがなかったりもする。
ピアノの先生としてそれはどうなんだ?って自分でも思うけど、やっぱり苦手な作曲家っているんだよね。
ハイドシェックの弾く子供の情景は、テンポは少しゆっくり目で、むしろそれが心地いい。和音がつぶれてないから一つ一つの音の粒がはっきりしていて、立体的に聴こえてくる。だからかな?
こんな音あったかな??
と譜面を確認したくなる。
旋律はしっかりと浮き出てくるし、豊かで艶のある音。
でも一番の特徴は、テンポのゆれ、リズムのゆらぎ感なのかな。
優しくて、寂しくて、どこか懐かしい遠い日の出来事。木洩れ日の下で柔らかな風が耳元を通り過ぎていくような、そんなイメージ。
次から次へと聴いていてなんだかワクワクする。
子供の情景の一つ一つがこんなにも魅力的な曲だったとは今まで気が付かなかったなー。
この人はピアノを弾いているというよりは、ピアノと遊んでいるのかな、って。そう、彼自身がピアノと会話して楽しんでる、そんな風に聴こえるんだな。
そういえばフランソワの弾くショパンのノクターンを聴いていると、私は音が言葉のように聴こえてくる。ささやいているような、時には朗々と語っているような。きっとフランス語なんだろうけど。いつも不思議でしょうがない。
そんなことを話していたら、旦那さんが、
「いつもフランス語しゃべってると、そういうリズム感とか音の出し方になるんじゃないのー?日本語と発声の仕方が全然違うじゃん。」
サラッと本質をついたような事を言われて、ちょっと悔しくなった。
そう、フランソワもフランスのピアニストだな。
それにしても今まで知っていた曲がまるで今初めて聴いたような、そんな風に感じるなんて、こんな経験は初めて。
つい自分も楽譜を引っ張り出して弾いてみたけど、全然真似できない。
そもそも真似しようっていうのが無理なんだけど。
彼の独特なテンポのゆれは個性的と言ってしまえば簡単だけど、コルトーの弟子だったと聞いてちょっと納得した。
好みは別れるかもしれないけれど、私は好きだな🎵
そのCDには他に
ドビュッシーの子供の領分
クープランのフランス人気質またはドミノ~第13組曲より
サティのジムノペディ
ラヴェルのマ・メール・ロア
が入っていて、それぞれ絶品です。
クープランの愁いのある音色、細やかなトリル…
もっと紹介したいけど、もうこれ以上は私の語彙力と表現力が限界なので割愛。
音を言葉で表現するのって難しいなー。
ちなみにラヴェルの曲は、ハイドシェックの愛妻ターニャさんとの連弾だそうです。本当にステキ。
聴いていておもしろい
飽きない
眠くならない (←ここは大事)
お腹いっぱい、大満足。
1枚のCDを聴き終えて、純粋に
楽しかった、心が満たされた👏
って思えたのは久しぶりかもしれない。
彼の他の演奏も聴いてみたくなったなー、って思ってたら、
旦那さんが早々とシューベルトのCDをゲットしてきた。
ナイス❗️グッドジョブ👍️
また楽しみが増えたな~
たぶんフランス語は勉強しないと思うけど、シューマンを避けていた自分を反省し、今後はもう少しお近づきになってみたいなと思います~🎵