と言っても、産んだのは私ではなく
姉の子が産まれました。
3ヶ月違いの姉は今日が予定日。
どうしても、今日子供を産みたかった姉は、
朝から陣痛促進剤で陣痛を待ち、
午後4時頃面会に行った時には、
少量の破水、それでも陣痛は弱く、
まだまだ産まれそうにない雰囲気なので、
母と共に自宅に戻り、6時半ごろ再び、
車で産院へ向かっていました。
すると姉の旦那さんから母の携帯に電話があり、
「産まれました!!男の子です。ありがとうございました~。」
とのこと。
あまりにも早い展開に、母と二人拍子抜け。
本格的に痛くなってから2時間もしないうちに、
午後6時41分、3700グラムのビッグな男の子が誕生~。
なんて安産なんでしょう。
病院へ着くと、涙で目を赤くした姉の旦那さんがいて、
産まれたての赤ちゃんが運ばれてきました。
我が子を見た義兄は再び涙、涙。
つられて私も涙。
姉は姪を無痛分娩で産みましたが、
まったく無痛ではなく、途中まで陣痛を経験し、
産後は麻酔の後遺症から頭痛に悩まされたことから、
どうせ痛いなら麻酔無しで産んだほうがいいと決め、
今回は覚悟を決めていたようです。
でも、こんなに安産なら、
麻酔も必要ないだろうと思ったりして。
安産といっても本人は想像以上に痛かったらしく、
「こんなに痛いのに、よく3人も産んだね、お母さん。」
と呟いていました。
姪は、車の中で出産の報告を聞くなり、
やっと会える!弟が出来た!と大喜びで、
初めて対面した産まれたての弟を見つめる目は、
とても輝いていました。姪は姉に、
「ママ、頑張ったね。
弟を産んでくれてありがとう。」
と涙をこらえて言いました。
そして私のお腹を撫でながら、
「美奈子は、妹産んでね。」
と、田舎の姑が男の子を産めと圧力をかけるかのように、
私に女の子を要求しました。
どうしても弟と妹が欲しいらしい。
あなた、結構強欲なのね。
そんな姪も、ママとお別れの挨拶をして病室を出ると、
私のもとに真っ直ぐ歩いてきて、
「弟が出来て嬉しいな。」
と言いながら泣いていました。
家族が増えることは、姪にとっても嬉しいことでしょうが、
それとは別に、しばらくママが家にいないこと、
今までの環境とは変わることなど、
言葉には出来ない、
姪なりの淋しさと不安がいっぱいあったのでしょう。
それでもママの前では涙を我慢し、
病室を出てから泣くあたりに、彼女の成長が見られます。
私は姪を抱きしめ、背中を撫でながら
「美咲が産まれたときも、美奈子達はこうやって待っていたんだよ。
美咲に会えるのを、みんな楽しみにしていたの。
だから美咲に会えた時はとても嬉しかったよ。
今日はとても素晴らしい日になったね。
これから、いろんな楽しいことを、
みんなで赤ちゃんに教えてあげようね。」
止まらない涙をシャツの袖で拭きながら
「うん。いっぱい遊んであげるんだ。」
といって笑いました。
姪はまだ7歳。
自分でいろんなことが出来るようになったとはいえ、
まだまだその心は幼いものです。
小さな心に、どれだけの思いを仕舞い込んでいるのかと思うと
いとおしくて何度も抱きしめてしまいました。
姪にとって、弟が生まれたことは
これまでにないほど成長するきっかけになると思います。
そんな姪を、そっと応援したい叔母バカ美奈子なのでした。