パフューム ある人殺しの物語
みなさんこんにちは
昨日は楽しい楽しいレディースデイだったので
まだ出来たてほんわかのシネマコンプレックス 新宿バルト9にいそいそとお出かけしようかと思っていたのですが
まさかこのご時世に
レディースデイがないなんて
まさかそんな時代の流れを完全無視した行為を堂々とするとは全く考えてなかったので
ちょっとおばかさんな旧友(でも愛嬌は抜群)に 「お前たまには空気読めよ!」 と怒鳴ってしまうくらい憤慨しました
レディースデイがないなんて私にとっては新宿にシネコンなんて出来てないも同然ですから
と いうことで 昨日はプリプリしながら六本木ヒルズのTOHOシネマズに行ってきました
新宿バルト9さん 考え直すなら今のうちですよ
ほとんどの女性客は映画に誰かを連れて行くから女性客を呼び込めれば集客率は上がるはず
さて 先週の 「さくらん」 を吹き飛ばす気持ちで行きましょう
そ れ は 、 昨 日 ま で 人 だ っ た も の 。
率直な感想
素晴らしい!
CMでおすぎが絶賛してたので一抹の不安もありましたが おすぎは正しかったのです
ヤラれました 完全に持っていかれました
サスペンスだと思ってたのにドラマです しかも濃厚な
ハリウッド的な予定調和ではなく ヨーロッパ映画独特の不安定な魅力でラストまで一気に引っ張って行く
冒頭~中盤のサスペンス色の強い部分はあくまで前フリに過ぎず
全ては人間ドラマの序章で ラストに近付くほどにその全貌が見えてくる
というより 香ってくる
少ないセリフと表情に込められた俳優たちの表現 類稀なる荘厳な音楽 瑞々しく艶めかしい映像
それらが交錯し 香るはずのない“匂い”がスクリーンから放出される
信じられないでしょうが本当にそう感じるんです
スクリーンの中にあるモノから匂いが出てくるような錯覚に陥るのです
主人公グルヌイユの恐怖と孤独 そして愛
一見するとただのフェティシズムに見えてしまう映像も
グルヌイユの表情で全てが集約され 深い情感が溢れんばかりに染み込んでくる
それがまたラストに一気に来る
ラストにどわ――――っと一気に全てが入ってくる快感
心臓わしづかみっ!
コマーシャルで流れるあのシーンも意味があるから全然いやらしくない むしろ美しいです
作家的でありつつ正統な映画でもある その繊細なバランス
サスペンスでありドラマでありファンタジーでもある その不可思議なバランス
素晴らしいの一言に尽きます
監督の力量ももちろん凄いのですが やはり俳優陣の演技が凄すぎです
主人公ジャン=バティスト・グルヌイユを演じたベン・ウィショー
ヤッバいです
表現力が凄まじく シーンごとに顔が違うと言っても過言ではないほど
セリフは僅かしかないのに何よりも雄弁に物語を語り 胸に突き刺さるような瞳と表情を見せてくれます
処刑台での最後の彼の表情は必見です
脇を固めるのは 赤毛の少女の父親アラン・リックマンと落ちぶれた香水調香師ダスティン・ホフマン
本物揃いで寒気がするくらい
このキャスティングは他に類を見ないほどはまってます
そしてダスティン・ホフマンがなんだかとてもかわいかったです
また音楽が素晴らしく
豪華絢爛 荘厳で 匂い立つ 音の洪水
全体を通してセリフが少なく 音楽が香りの音符の一つとなり演技と映像と共に和音となり香りを引き立てていく
映画を観終わってから知ったのですが なんと演奏は ベルリン・フィル!
世界最高峰のオーケストラが映画音楽を!
二重にびっくりです
音が本当に素晴らしくて エンドロールの最後の最後まで余韻と音楽にどっぷり浸かってました
と いうことでこの作品 非常にオススメです
私ももう一回観たいです
ここでいくら語ろうとも観ないとこの映画は解りません
悲哀 恐怖 孤独 絶望 愛
全てがこの映画に濃縮されています
是非ともスクリーンで観て頂きたい作品です
ベルリン・フィルの至高の音楽を大音量で聴き 本物揃いの演技と 匂いに溢れる映像に酔って下さい
ただ 部分的に死体や生理的に嫌悪を覚える映像などエグイ部分がありますので
そういった映像の苦手な方は最前列での鑑賞はキツイと思います 特に前半
食欲も減退すること請け合いなので食事は済ませておいた方が懸命です
テーマが “香水” でもきらびやかな世界ばかりではありませんので
そんな感じで久しぶりのほし5つ★★★★★
「パフューム ある人殺しの物語」公式HP → パフューム ある人殺しの物語 official site
ほし5つっていつ以来だろうと過去記事見てみたらなんとV フォー・ヴェンデッタ 以来です
本当は「鉄コン筋クリート」もほし5つなんですが お正月に観たきりまだレビュー書いてないし もう公開終わっちゃうし
近々に書きます!書こうよ!面白かったんだし!ねぇ! (誰と話してんですか)