及川先輩、南先輩、生島先生。
そして加西君 ―
それぞれのパズルのピースは、もしかしたら
ひとつの作品に繋がるのかもしれない。
授業中、私はぼんやりと考えていた。
先週の金曜日の放課後のやりとりから、
加西君と生島先生はもしかしたら何か
あるのかもしれないと思っていた。
そして、ここにきて今度は生島先生と及川先輩
たちとの間にも、関わりが見えてきた。
4人を結ぶ糸は、いったい何なのだろう。
今朝、加西君と顔を合わせたものの、向こうは
いつも通りの仏頂面を見せただけだった。
私も強いて問いただそうというエネルギーは
持っていなかったので、そのままスルーした。
そして ―
教壇に立つ生島先生をこっそりと観察する。
先生の細長い指の先にあるチョークが、難しい
数式を描いていくたびに、何人かの女子から
うっとりとしたため息がもれている。
長身の背中を見つめていると、ふと妙なビジョンが
目の前をかすめた。
― ・・・・ちゃん、見て。
― どうした、・・・・。
― すごく綺麗な夕日。
― 本当だ。
誰かと誰かの会話。
目を凝らすと、それは少女少年の2人だった。
少女は7歳くらいで、少年の方は高校生くらい
だろうか。
土手のような場所に立つ2人の目の前には、
確かに綺麗な夕日が見える。
(なに、これ・・・・・・。なんでこんな映像が)
分からない。
でも、とても懐かしいような、切ないような
気持が襲ってくる。
ふいに涙があふれてきた私は、慌ててそれを
こらえようとした。
その時、
「長尾・・・・・・。長尾!」
気がつくと、生島先生がそばに立って、私の
顔をのぞきこんでいた。
「大丈夫か?」