「そんな・・・・」
それだけ言うのがやっとだった。
今どんな慰めの言葉をかけたところで、
嘘くさくなってしまう気がしたからだ。
「なのに、高校に入学したら向こうも教師として
偶然再会しちゃって・・・・。なんかもう、笑うしか
ないって感じだった」
史織はそう言って、また悲しそうに微笑んだ。
(史織ちゃん、まだ安曇先生のこと好きなんだ)
確信はなかったが、なぜかそう思った。
そこでふと、何かが引っかかる。
(もしかしたら、安曇先生も・・・・?)
この前から何度か2人でいるところを見かけたが、
その時に感じたのは安曇が史織に好意を持って
いるのではないかということだった。
今の史織の話を聞く限りでは彼女はフラれた
とのことだが、それまではなんとなく安曇の
方が史織を追いかけているような印象を
受けた。
「史織ちゃん、あの・・・・」
一花が話しかけた時、携帯電話の着信音が
鳴った。
「あ、私の携帯だ」
制服のポケットに入れっぱなしだった携帯電話を
取り出すと、メールが届いていた。
差出人を確認した一花はギョッとする。
そこにあったのは、水樹の名前だった。
そういえば ―
先日高校で会って家まで送ってもらった時、
別れ際にメールアドレスを訊かれ戸惑いながらも
教えたことを思い出す。
「ちょっとごめんね」
史織にことわってからメールを読んだ。