イルマリから手紙が来ない
ある時からイルマリ君から手紙が途絶えた
もう半年が立つのだが
頼みにしていたのに
次に彼の消息を知るのは
なんと、TVの中だった
ヘビメタ系の有名ロッカーになっていた
バンド名はジャカル
キーボード担当で歌う
その美しい容姿で
たちまち世界のアイドルスターとなった
一年後日本公演に来たイリマリ
日本でもその容姿で大人気
空港は
ファンで埋め尽くされ大騒動
ダメもとで彼の泊っているホテルに連絡
朝のモーニングの前なら少し
そういう連絡が彼のマネージャーから来た
会った途端、私たちは抱き合って泣いた
何があったの?
僕には無理だったんだ
何で?・・・・・
エッ、まさかそんな!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
簡潔に語るイルマリ
フィンランドにはカトリックの修道院がない
東方正教会しかなかったので南欧で修道士になる
僕は11人兄弟の八番目の男の子だったから
両親家族は理解してくれて
フランスに行って修道士見習いをした
僕が狼の群れの中にいる子羊だと知るに
時間がかからなかったんだ
見習い期間まで短縮された
有名な修道院からスカウトが多数きていた
それほど修行しなくても
ドンドン地位が上がった
同じ時期に入った見習いとは違って
餌食になったんだよ
エッ!
何のことかよくわからないでいる私
ゴメン、もう時間だ
そのうち判ると思ういい
君もよく考えて、慎重になった方がいい
(どういう事?)
そういってイルマリは私の目の前から去った
今も生きている、多分70歳位だろうか
彼の栄光の記録映画をやっていた
娘や孫までもいて幸福そうだった
彼の容姿はリアルキリストだった
欧州の絵画のイエスキリストそのもの
私は、痛む体で彼を見た時
わが身の不幸に泣いた
イリマリ・フォン・カッセルには
そうだ、彼は女の身体を愛せなかったが
自身の自慰に悩んでいた
女に抱いてもらえば家族も出来る
そして彼は一代で財を築き
荘厳なお城に住んでいる
それなのに、私はどうだ
家族も捨て神に仕えた一生だったのに
最後に裏切られたたんだ
男は嫌いだったが
愛されれば普通の
家庭ができたんだ
両親の言うことを聞いて結婚していたら・・・・・
今更ながらに後悔をした
私の最後の日は近い
死に場所は
大嫌いなフランスの修道院
修道院長を呼んでください
最後の懺悔がしたいのです
太い手足の修道院長が来た
私はこれまで話さなかった
マスターベーションを懺悔
カトリックではオナニー禁止だ
オナニーが何故禁止になったのか?
オナンと言う男が父の命令に背いて
レビラト婚と言う兄が亡くなると
弟が兄嫁と直す(結婚する)風習があった
ユダと言う男が長男がタマルと言う妻を残して
死んでしまったので、弟のオナンに兄嫁と結婚しろ
そういう命令をしたが、オナンは兄嫁に子が出来たら
自分の財産が減るので、膣外射精してとぼけたら
神が罰を与えてオナンを罰した(56した)
ユダと言う親父さんはそれなら末弟にと思ったが・・・
話が長くなるので気になる方はググってください
筆者には矛盾だらで理解できなかった
最後の審判で地獄いきだな
慈愛の聖母マリアでさえ
お前を執成してくれぬだろう
ハハ―そんな事は早く懺悔するものだ
肥えむくれた手で十字を切るとアーメンの値打ちはない!
これで終わりだな
彼女はわざと英語で言った
YELLOW
ゲッセマネのキリストの気持ちになった
こんな、明日も知れぬ体になり
父母に親不幸をして
九室戸分家の財産も全部捧げたのに
私は神を恨んだ
違う、修道院長を呪った
彼女の悪事は知っていたが
従順に仕えていたではないか
私は磔刑になる前の晩
ゲッセマネの園で悩んだイエスだ
神よ、私をお見捨てになるのですか?
恐ろしいカトリック教会の罠に嵌って
死んでゆく…私
【墨呂空】
ゲッセマネの祈り
最後の晩餐の後、4人の弟子たちに
私はオリーブの園の中で神に祈るから
ここで、お前たちも祈ってほしい
キリストが神に磔刑の罪逃れのために
園の奥深くで嘆き神に助けを乞い願う
奥から出てきたイエスは、弟子たちが
眠りこけているのを見て切れた
イエスはキレマシタ
もう一度、試してやると
ゲッセマネの奥に行き自身の身を嘆き祈った
傷心のイエスが戻ってみると
また弟子たちは眠りっていた
あ~なんてこったい
こいつらは、明日の我が身の事を心配もせず
ただ、疲労の為に眠りこけた残念
・・・・・・・・・・・・・・
するとローマ兵がイエスを捕縛しに来た
弟子たちは、驚いて郷里に帰ってしまった
ゲッセマネの園という逸話
大藁
【墨呂空】