邪馬台国女王台与の波波迦 | 墨呂空の無双芸術劇場

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【ヒロヒコの回想】

 

太占

ふとまに

               

地震・津波・噴火・日蝕月蝕・人々の罪穢れ

梅雨の波波迦桜の白い房は薄淡く煙り景色に融ろける

台与女王は太占をしたと云う

己の罪穢れを祓い清め

明日へ指針を神に問うのだ

 

太占と亀卜

 

 

牡鹿の肩甲骨に炙り波波迦の枝を押し付けて入るヒビで占う

皇室にも伝承されて令和の大嘗祭の儀式にも行なわれた

5世紀ころからChinaの風習が入り海亀の甲羅

                             古代からの波波迦桜は今使われる

 

 

釣りあがった眉根一本刻まれた眉間針

台与の顔は邪気に溢れた妖怪の様に恐ろしい

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ヒロこれは何?説明しなさい、早く、黙ってないで

東宮のヒロはあたしの物なのに!

 

あたしの物と言われても、私は私は関係ない・・・し

思わず出た言葉がそれだった

なんで私とした後にこの女としてんのよ

許さない、誰か剣を持てぃぃー!

控えていた官人が驚いて声を上げた

女王様お静まりくださいませ

ここには、そんな物騒なものはありません

 

ヒロはあたしが寝るとどこかに行っちゃう…でも

朝になるといるよね、この女と何してたの?

この女とあたしとどう違うの、話しなさい

台与の手には朝の髪結いの銅簪を握りしめてる

 

・・・・・・・女王様お、お許しください、後退りする瑠璃祢

私はやめろ!と言って簪を取り上げた

キッと私を睨み付ける台与の表情は悪鬼のようだった

 

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瑠璃祢は官人と脱兎の如く個室の外に逃げる

私も感情的になり、違うんだよお前は…その

言ってはいけない事を口走ってしまった

違うってどういうことなの!どこがどう違うの

騒動を聞きつけた公氏が息を切らして入ってきて

東宮殿ここは私に任せて、、、、、

これ以上この子を刺激したらいけない

さぁ、早く・・・・・・・・・・・・・・・・                       

                             ジェラシーの炎

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情けないことに台与の凄みに足が竦んでいる

ここは、台与の父君に任せようと考えて

小部屋から飛び出し、東の自分の居間に戻った

台与が気性の激しい女だったなんて知らなかった

これが女VS女の嫉妬というものなのか

妻女は夫の相手の女に対して

激しくジェラシーの火を燃やすのだとか

嫉妬

ジェラシー

数日後、公氏の釈明が始まる

 

台与には本当のことを言ったよ、お前は小化至なのだって

いつかこういう日が来るとは思っていたが、、、

いつまでも誤魔化せるものじゃなかったな

申し訳ない、瑠璃祢はもうここには置けない

大丈夫だ、パレスの中のツキヨミ地下御座所に配置転換だ

 

 

台与様は?

真実を言うと初めは・・・・・・・

自分の身体が小化至では東宮殿はもう・・・・

 それで・・・また嫉妬の炎に身を焼かれている

当分台与とは会わないようにした方がいいな

私は、ここから出れない籠の鳥

 

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その年は梅雨が早く来て長く続いた

波波迦桜の白い房花が雨に霞んで見える

 

夜明けの晩に・・・・・・・トヨとヒロが嵩べった

 

 

夏至の夜明けの晩に

夜明けの晩に・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・交わした甘い歌

     夏至の夜は短いから・・・・早くしないと明けちゃうよ

      夜明けの晩の喘ぎ声は甘くて切ない・・・ヒロごめんね

      私が選んだから来てくれたのに、だってヒロしか・・・

 

     

 

      夏至の日は三回拝む、日の出と真天と日の入り

 

 

夏至の日は朝から断食をする習わしだ

長い昼間を台与と過ごした

ねぇヒロお腹空かない?断食って魂が清まるのよ

あたしね、あの事があって穢れたから太占したの

今度は一緒にしよう

太占?

卜か

 

穢れたって・・・・・・・・・・台与様が?

うん、父君がねこれは嫉妬という心の病

穢れた魂が身体にこもって錯乱するの

魏とか呉ではね、男王しかいないから

後宮ってところでは、女たちの嫉妬がすごくて

毒薬盛って殺し合いになるんだって

悪い気で、心が乱れて穢れた

だからね太占して、神様に問うのよ

占って今後の生きる方向を探ぐる儀式

それで、どんな結果だったのですか?

運命の人と仲良く暮らしなさいって

波波迦桜の枝のヒビが東の方向を記したの

私は・・・・・穢れてるのは私です

違うよ!ヒロが悪いんじゃないよ

全部父君が、仕込んだ事でしょ

あたしの為に、ヒロもあの娘も可哀そう惨いよね

 

 

女は陰口があって

男の陽物が入るんでしょう

それで人は一つになるのに

私には・・・・・

 

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しゃくりあげて泣き出した私の台与

私もお前を誰にも取られたくないよ

心が熱くなって揺れている

台与が愛おしい

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夜は夏至儀礼の大宴

 

夜は夏至祭の大宴、男女入り乱れて飲み明かす

私と台与は雛壇で楽しく飲み交わしていた

父のナシワ大臣は酔っぱらってご機嫌だ

ホウホウ、仲の良い夫婦になりましたのう

御子が出来るのも近いかなホウホウ

私と台与は顔を見合わせて微妙な顔になる

 

困ったな親父の鈍感には

そういう事は言ってはいけない

人は皆、同じではないのだから

 

 

夏至の夜は短くてぼんやりしてると朝になっちゃうよ

 

波波迦桜が宵に融けて美しい

今夜も・・・・・夜明けの晩に台与と

夜明けの晩に・・・・・・・女と男が嵩べったら

夜明けの晩は短いからから眠らなくてもに朝が来る

台与の身体を後ろから包み込むように抱く

二つの魂が溶けていく・・・・・・・台与の背中は柔らかい

      台与は愛撫に応えて甘い声を出した

               ・・・・・・・私の耳もとに顔を寄せて

                そっと囁いた

後ろの正面・・・・・・・・・誰?

 

【墨呂空】