妻は俺の全てを受け入れてくれた
妻は俺の全てを否定した

得てして結婚生活なんてそんなものなのかもしれない。
妻は本当に俺の事を好きだと言ってくれたしお互い大切な存在だっった。
だが、一度揉め事が起きれば全てが反転した。

結婚式の時に穏やかな所が好きと言ってくれた俺の性格は「グズ」になり、俺の事を面白いと笑ってくれた笑顔は「バカ」と罵りと侮蔑の表情になり、俺の事を「敵だと思っている」と言われ、俺の笑顔が大好きと言ってくれた妻は「(体調の悪い時の俺の表情を見て)ドン引きした」と言われた。結婚して2~3ヶ月立ち、ある日妻が「結婚してからもっと太郎君の事が好きになった気がする」と言われとても嬉しかったことを覚えている。

人はこんなにも変わるものなんだろうか?そりゃ、結婚していつまでも恋人気分の夫婦なんていないのはわかっている。でも、妻は産前と産後で本当に別人としか言いようがないほどの変貌を遂げた。産後にホルモンバランスでイライラしたり旦那のことを疎ましく思ったりするということは知識としては知っていたが、これほどまでとは思わなかった。それに妻の場合はホルモンバランスだけの問題ではない気もする。

世間の意見を見れば「産後のママは大変!」「旦那さんは辛いと思うけど耐えて!」「もっと育児に協力してあげて!」「奥さんは24時間休めないんです!」「イライラは何年かで収まるから耐えて!」と、産後のママに賛同的な意見が多い。それはもちろんわかっている。だけど、夫はどこまで耐えれば良いのか?暴言を受けても拳を振り上げられてもどんな仕打ちを受けても笑って流すしかないのだろうか?夫だって人間だ。心だって限界がある。

 

世の中には女性向けの相談窓口やコミュニティはたくさんあるが、夫向けの相談窓口は全くと言っていいほどない。たまにパパ専用の勉強会みたいなものもあった気がするが、心のケアと言うよりは育児の勉強会みたいなものだった。ネットで探してもママコミュニティはあってもパパコミュニティなんてほとんど見ない。

 

産前に沐浴の勉強会に行ったが、こういう場所で産後の奥さんは気が立ちやすいからこういう風に対応しましょうとか、悩みがあった時の男性向け相談窓口とか、少しでもそういう場所があれば違ったかもしれない。育児の参考書はたくさん読んだけど、そういうメンタル的なことに関して書かれていた記憶が無い。

 

子育て支援という言葉をよく聞くが、ママのケアや無償化や補助金の話しばかりだけではなくて、少しでいいからパパ側の悩みを緩和できるような場所が出来たらいいなと思う。