あいも変わらず

カール・ハートは続いています。

 

アクション=ピアノのエンジン

を構成している各パーツが

想像以上にガチガチサビサビです。

 

基本ここまで傷みが激しいアクションは

300本以上あるセンターピン

全て交換することが多いです。

 

 

 

ピアノという楽器は

各部を俊敏鋭敏に動かすため

この小さくて細い金属製のピンに

めちゃくちゃ依存しています。

 

このピンに何がしかの

僅かなストレスを与えたり

摩耗や腐食などが発生すると

たちまちピアノ(アクション)は

反応が鈍くなり最悪動かなくなる。

 

下の動画はウィペンフレンジ

というパーツに使われている

センターピンの不具合により

ガチガチでほとんど動かない個体です。

 

動画内最初の個体は新しいピンに交換し

スムースに動いているものです。

 

後の個体はピンを交換する前で

指で押し下げてもなかなか動きません。

よくここまで硬くなったな

という重症レベルです。

 

 

 

 

不具合個体のセンターピンを抜くと

ピンを支えているクロスが

ガチガチになっていたり、、

 

 

 

中には僅かに曲がっている

センターピンも紛れていることがあります。

 

長さ1,3㍉ほどの細いピンがなぜ曲がるのか謎..

 

 

ちなみに

ピンに問題がない場合でも下の写真ように

パーツに付着した僅かな接着剤のような突起物が

動きに悪影響を与えることもあります。

 

このようなケースは

パーツをバラバラにしないと

わかりません。

 

この場合はジャックというパーツの動きに悪影響を与えます。

 

 

またパーツに蔓延ったサビやカビが厄介なのは

放っておくとそこからどんどん拡がり

収集がつかなくなるほど悪化することです。

 

範囲が拡大しないようにそれら悪の温床は

なるべく早く除去することが大切です。

 

 

この先端部分は一番除去しにくいとこ..

放っておくと最悪折れることも。

なんとかコンプリートキラキラ

 

 

害虫も大敵です。

ヒメマルカツオブシムシという

セーターなどを食うあのムシです。

 

ピアノのアクションには

フェルトやクロスが大量に使われているので

これらを狙ってヤツらがここぞとばかりに

集まってくることがあります。

 

閲覧注意ビックリマーク

ヒメマルカツオブシムシの抜け殻 滝汗

 

木の部分に染み込んだシミなども除去します。

キラキラ

 

ダンパーを動かしているスプリング部の腐食。

 

 

製造後50〜60年経過しているピアノを

クリーニングなどを含め

大掛かりなメンテナンスをすると、

向こう〜30年くらいの間は

基本ここまでバラしてのメンテナンスは

行わないと思われます。

 

センターピン含めた消耗品や劣化品など

交換か維持か悩んだ時は

潔く交換することも時には必要です。

 

なぜならそのことによって

ピアノの調子は現状より確実によくなり

楽器の寿命も必ず延びるからです\_(^o^)ココ!

 

 

ダンパースプリングは場所によって太さが異なるため注意が必要。

 

 

関東地方はようやく梅雨入りましたタラー

ということはピアノにはヘビーな季節に。

 

ピアノはとにかく多湿が大敵です。

湿度は理想を50〜55%ととし、

くれぐれも60%を超えないように

楽器の管理をお願いします上差し

 

 

 

今日も僕のブログを読んでくれてありがとうございましたm(__)m

 

OTO

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