ロンドンで2年ほど生活した後パリへ行きやはり約2年間住みました。ロンドンに行った当初はパリへ行く予定は全くありませんんでした。
地図を見ていただくとわかりますがロンドンとパリはとても近い距離にあります。ロンドンからユーロスターという新幹線みたいな高速鉄道で2時間半くらい乗ってればもうパリに着いてしまいます。距離にすると車移動で約500㎞なのでちょうど東京と大阪くらいの距離です。電車の中で国境を超えた時は、やはりヨーロッパという土地を実感しました。
ロンドンの記事はこちらからお読みになれます。
ヨーロッパの建造物は石創りが多いのでの雰囲気が重厚でしかもどこも非常に古く、ずっしりと歴史を感じます。街の中を歩いていると、変な日本語ですが歴史の中を歩いている、といった感じがするんです。普段僕が住んでいる東京の街を歩いてても、そういった感覚にはなかなかなりません。神田辺りの路地裏を歩いてると、たまにとても古い建造物や商店に出くわすことがありますが、パリはそんなのがずっと続くかんじです。それは僕が見た限りではロンドン以上でした。一体これは何年物だろう?というくらい古い建造物や壁がパリの街には現役ですごくたくさん残っていて、僕的には嬉しくなる日々でした。あまりいい意味で使われない言葉かもしれませんが、こう朽ちた感じとでもいいましょうか、それをそのまま残しておくというスタイルが、目まぐるしく新陳代謝を繰り返す都市に住む僕にはまた新鮮で嬉しくなるわけです。時を経て出来た天然デザインというべき街の表情が魅力的で、街へ出る度にカメラ片手に写真を撮ってました。
広告用のスペース?この空間自体が意味ありげな一つのアート作品のようです。
2009年 パリ7区
古い映画のワンシーンのよう。傘は最新ですが..
パリの街で古い壁や建物に出くわすとその迫力に圧倒され、しばしそれらと対峙することになります。それはまるでロンドンのテートモダンで観た抽象画家のマーク・ロスコが描いたシーグラム壁画を観た時の感覚に似ています。少し大げさに言うと、さながらパリの街全体がシーグラム壁画に包まれているような、そんな雰囲気がパリの街にはあります。
壁の真ん中部分だけ蔦入りでくり抜いて額装して工房に飾りたいレベル
古くなっても捨てられるモノとそうでないモノがあると思います。
あと、古くなって新しいものに変えられるモノと変えられないモノもあります。
捨てられるけど捨てる意味もないモノ、というのもあるかなと思います。
捨てられないモノや変えられないモノ、捨てる意味がないものに溢れているのが、パリの街なのかもしれません。
ピアノという楽器もこれに近い存在なのかもしれません。
パリにはこんな高齢の象さんのような壁がたくさんあります。
ご存知のように、ヨーロッパはほとんど地震がありません。こんな建物日本だったら一発で崩れるんちゃうやろか?というのがたくさんあります。日本人の悲しいサガというか習慣というか癖というか、そんな危険物件を見かけるとまず「これ危ない、絶対崩れる倒れる!」と無意識に思ってしまう自分がいるのです。。
地震大国日本だったらこれは一発アウトかと.. 地震がない余裕すら感じます。
これも一発アウトかと.. 行政が入るレベルか。
日本だったらこの壁の前は絶対にサッ!と避けて歩くわけです..
壁のディテール。危ない!でもステキ♡
パリの街区表示板。壁と共に年季入ってます。 パリ4区
電車関係もこんな感じです。危ない
地下鉄の入り口もこんな感じで雰囲気バッチリです。昔の銭湯みたいな大正ロマン風タイル♡
お店の壁もいい感じです。寝そべってる犬もいい感じです♡
OTO工房にぴったりな物件発見!
入り口はこんな感じがいいかも。でもピアノが入らないか。。危ない
これだったらピアノ入るか..
時が作り出したデザインにさえ洗練さを感じてしまう。
故意に作ろうと思っても時が経たなければ出ない味というものがあり、人間と同じかも。
中学校の修学旅行で京都の二条城にはじめて行き城の中を歩いた時、確かに歴史に触れた感じがしました。400年以上の時を経た柱の傷や廊下の軋む音に自分の中の何かが震えた。ヨーロッパの街には、これと似た感覚に襲われることがよくありました。それは初めて僕がバッハやベートーヴェンやショパンの曲を指一本でおっかなびっくりに弾き出した時の感動に近い感覚でした。
今日も僕のブログを読んでいただきどうもありがとうございましたm(__)m
<ブログお引越し勝手に一周年記念リブログ>