イースタインピアノ

 

ときいてもご存じの方はほとんどいないと思います。

我々調律師の間では

クロイツェルや

シュべスターや

ホリューゲルや

オオハシや

FUKUYAMA&SONSや

ディアパソン同様とても知られたピアノで、

わたくしの愛読書である

漫画 「ピアノのムシ」 第一巻にもしっかり登場しているのだった。

 

日本が誇る幻の名器 EASTEIN..


あのニ・二六事件に関わる絆を内に秘める三人の元軍人たちが
日本の高い技術や精神性を今度は平和の為に役立て

後世に何か残そうと宇都宮にピアノ工房を作ったのが始まり。

そのストーリーは「響愁のピアノ イースタインに魅せられて」

という単行本にもなっているほどです。

ヤマハやカワイには生産性やその規模は敵わないけど、
頑固一徹手造りにこだわった
正に Mr. Made in Japan 

と呼ぶに相応しいピアノ。

そんなピアノの持ち主様からご依頼があり
聞くとなんと地元東京荒川区の方。

あのイースタインが荒川区にある!
しかも我が工房から徒歩10分の所に!!
世の中何が起こるかわかりませぬ.。





その昔、このピアノオーナーのお父様は

車を買おうと秘かにヘソクリを貯めていた ( ˘-˘) .。oO car..

時を同じくして、

当時小学生の息子が音楽教師の弾いたピアノの音に魅せられてピアノを欲しがった (≧▽≦)/ピアノ~

母は父のヘソクリの存在を秘かに把握していた |ω・) money..  

かくして未来の父の車は息子のピアノへとその姿を変えたのだった (・_・)...? 

父にとっては苦い思い出 .. 

母と息子にとっては、甘い思い出 ♡(˘︶˘)٩(ˊᗜˋ*)و♡

今から50年前の話。。



50年後、父にその音を聞かせることはもうできないけど、

介護をしている母に、もう一度あの時のピアノの音を聞かせてあげたい。

かくして今回、

ご縁あってそのピアノを修理させていただくことになったのだった。。


最後50年後の少年に弾いていただいた曲は、

メンデルスゾーン作曲 無言歌集 Op.19 No.1 「甘い思い出」 ...


( ꈨຶ ˙̫̮ ꈨຶ )( ꈨຶ ˙̫̮ ꈨຶ )( ꈨຶ ˙̫̮ ꈨຶ )


その素晴らしい味わい深い音に
思わず無言になってしまったOTO工房でした。

いつまでも 響愁の音を...



今日も僕のブログを読んでいただきありがとうございました m(__)m

OTO

工房