サンタの弁当屋 追々記 | プランターの中

サンタの弁当屋 追々記

以前、日記で書いた入り口に踊って歌う二体のサンタクロースが

置いてある弁当屋に小さな変化が生まれた。


一体は動かないように電源を抜いてしまったのだ。

入り口で二体が踊って歌っているのは不気味でしょうがない。

これはお店の為にもなる。僕のささやかな願いが叶ったと思った。


と、安心していたのもつかの間。
幾日かすると動く方のサンタクロースの右腕には

弁当とペットボトルが入っていると思われるビニール袋がくくりつけられ、
左手には『おでんはじめました』と書かれた紙が貼り付けられている。

今までと動きは変わらないのに、忘年会ではしゃぎすぎた
お父さんのように見えてしまうのが不思議だ。


「さんた苦労す(サンタクロース)が帰ってきました」そんなギャグを言って
笑いやその他感性に敏感な娘に、わざと聞こえるようなため息をつかれてしまうんだろう。

場の空気を変えようと「さんた(サンタと海苔弁当三段に重ねた事を指す言葉遊び)
のプレゼントです」とか言って、今後絶縁に近い接し方をされるに違いない。

もっというと、聞こえるようなため息の仕方は妻と同じ嫌な癖だなと思いながら
父は小さく眠るのだろう。翌日の弁当は冷えて硬くなった

海苔弁当(買ってきたパックのまま)だろう。ちょっと想像しすぎた。


話は戻り
更に動かない方のサンタクロースの足元にはゴリッとしたアメリカンデザインの

フライドポテトのキャラクター(小サイズ)が置かれるようになった。
これがまた不気味な置物で、円錐の紙袋から極太のフライドポテトが突き出ていて、

デザイン上髪の毛を意識している感じだ。紙袋部分の中央にはぎょろりとした目玉、

アメリカの意識でそれはファニーなのかもしれないが、左右別々の方向をにらみつけている。

それだけでは飽き足らず鷲鼻の下にある大きくあけた口からはでろっとベロが垂れている。

クレイジーを形にするとこういうふうになるんだな、と思えるシロモノだ。
見る人が見ると、悪魔の使いか等に見えて卒倒してしまうかもしれない。


観察していると、動く方のサンタは右のに置かれる日もあれば左の日もある。
そしてきちんと動かない方には悪魔のしもべが置かれている。
更にその前には造花が三本ほど植えてある花壇。


みんなで知恵を絞りいい方向に持っていこうとしているのだろうけれど、

残念ながらやればやるほど逆のベクトルに位置する店頭POPになっていく。

都会的なセンスとか市場調査を重ねた戦略的なPOPよりも

こういう味わい深いお店のほうが僕は好きだ。来年にはこの店なくなってしまいそうな気配だが。