⁠(*⁠^⁠▽⁠^⁠)⁠v- 夏疲れでなかなか記事が書けませんでしたが、お盆支度も一段落して少し余裕ができました。ちょっと日にちが経ってしまったけど、2週続けてホラー映画を観てきましたキリッ!!

 まずは中田秀夫監督の「事故物件ゾク 恐い間取り」。原作は松竹の「事故物件住みます芸人」の松原タニシさんで、2回目の映画化。前作の主演は亀梨和也さんでしたが、今回はSnowManの渡辺翔太さん。福岡県の鉄工所で働いていた優しい青年(桑田ヤヒロ)がタレントになる夢を諦めきれず、昇進話を固辞して上京するところから始まります。


 鑑賞前に原作も読む。映画のエンドクレジットで「事故物件住みますは現在24軒目」と出ておののきました。松原タニシさんは淡々とした思索的な文章を書く方で、笑いを取ろうとしてないところに戸惑います。いろんな事故物件に実際に住むうちにちょっとした怪異には慣れてしまったようで、もう「住みます」をやらなくてもいい気がするけど、何か志があって続けておられる印象ですね。


↓劇場でハシゴしようか悩んだ作品。攻めてますねぇ。精巧なドールは何故こんなに怖いのだろう。精巧なのに本来は魂が入っていないモノだから?


 本作は松原タニシさんの著書から何軒かの物件を選んで脚色したもので、これはパンフレットから引用。上京したヤヒロは小さなプロダクションの社長から「まずは『住みます』だな」と命じられ、事故物件に住んでそこで起こることを動画に録り始める。もう紹介してくれる不動産屋さんの名前からして「浄仏不動産」で危険度高めです。

⁠(⁠^⁠▽⁠^⁠)⁠人   安い事故物件、いっぱいありますよぉ!

 初対面から合掌してくる不動産屋さんが清々しくイヤ。ヤヒロは今ひとつ分かってませんでしたが、「心理的瑕疵のある物件」とは何かを説明されておののきます。人が変死した物件は不動産屋さんに告知義務がありますが、借りる人が変わると義務は無くなるみたいすね。それを恒久的にネットで告知し続けてるのが大島てるなのか。ただ「病は気から」と言うものか、人によっては全く気にしなかったり幽霊を見なかったりするようで、それが興味深いかも。事故物件と知っていても先入観にとらわれず暗示にかからないのは何故かな、多少は影響されそうですよね。

 1軒目からパンチが効いており、和室にイヤすぎる染みのある部屋で、ヤヒロは髪の長い女幽霊に速攻でロックオンされます。おおおまた貞子のようにまつ毛を抜いてきたか女幽霊!!  ひどく誰かを恨んで亡くなったと思われる女幽霊は心霊番組のオーディションを受けるヤヒロにもついて来て、デジカメを向けるスタッフはヤヒロの肩に黒髪と白い手を見て驚愕する。審査員の1人の霊能者も反応し、部屋に来て洗面所の鏡の裏に隠されていた呪物を見つけてくれました。

 これは祓えないから引っ越せと告げる霊能者にヤヒロは「でも、この人(幽霊)はずっと寂しいままじゃないですか」と哀れみを向けますが、霊能者は「寄り添いすぎると持ってかれるよ!」と一蹴する。情けは身を滅ぼすということか。 


 オーディションで心霊スポットのレポーター役を射止めたヤヒロはちゃんとしたロケ隊に加わって、いわくつきの古旅館へ。もとは銀行家が建てた豪邸と聞き、私は山岸凉子の漫画「汐の声」を思い出しました。それも心霊特番のロケを題材にした作品で、霊感少女としてロケに参加した女の子が怪異連発で怯えてるのに演技だと思われて信じて貰えないまま屋敷に棲む異様な少女幽霊に捕まってしまうんすね。有名な子役だったけど熱心なステージママに成長を止める薬を飲まされて顔だけが中年女性のままで、母親を恨んで殺害して怨霊になったというお話。怖いですよこれ。

 この旅館は原田龍二さんが座敷わらしに会いに来るようなところでしたが、お宿の主人の振る舞いが異様。2階の撮影をやけに嫌がり、プロデューサーがお金を渡して承諾するのですが、神棚にあたる何かに向かって『笑う門には福来たる!』と大声で笑い声をあげて悪さをしないようお願いしてました。これは居るな。確実にいる。ヤヒロは廊下をパタパタと駆けていく小さな女の子を見かけ、ロケが始まった時に自分でも意識せずこんな事を口走ります。

(;⁠ ̄⁠∆ ̄⁠) ・・・ここで昔、小さな女の子が療養していたんです。重い病気が治らなくて、苦しむのを見ていられなくなったお母さんが窒息させました。

 スタッフはそんな話を知らず、生放送のスタジオでも「マジか?」と緊張が走る。ヤヒロは何を言ったか覚えてませんでしたが、1人だけで泊まる事になり、外のロケバスで音声をモニターしていたスタッフは何者かが般若心経を唱える声を聞き「あいつ大丈夫か?」と呟く。ヤヒロは開かずの間になっていた2階の客室に吸い寄せられ、そこで母子のむごい光景を見ます。前のマンションでも退去する際に一礼していましたが、翌朝 ヤヒロは開かずの間の前にお菓子を置いて立ち去ります。優しいですね。


 次は幽霊が出るというシェアハウス。住んでる人は何も見た事がないと言うけれど、ビデオ通話では老婆の姿が見えていました。この頃になるとヤヒロには同じく俳優志望の花鈴ちゃんという彼女ができており、「事故物件住みますタレント」としても仕事が増えてきてました。

 シェアハウスに引っ越して、そこで他の住人と共に降霊会を開くヤヒロ。西洋版コックリさんのウィジャ盤で霊にお越しを願うのですが、がっつりお越しになって他の住人が取り憑かれる。その人はシェアハウスの屋上から身を投げますが、その背中には老婆がおぶさってました。

 さすがにヤヒロはショックを受けて、シェアハウスから退去します。行く先がないので花鈴ちゃんの家に間借りさせてもらうのですが、どこか影があり自分のことを話したがらない花鈴ちゃんこそが最大の因縁を背負っていました。

⁠(*⁠^⁠▽⁠^⁠)⁠v- まだ公開中なのでネタバレはここまで。前作よりも怪異の見せ方が巧く、出し惜しみはしてなかったですね。中田秀夫監督は物語をエモーショナルに盛り上げる方で、「仄暗い水の底から」とかにもついウルッとする場面が出てきます。ホラー映画だけどこの作品にもありましたね。怖い場面はきっちりで、感動的できちんとまとまった良作でした。予告編もおまけにどうぞー!↓