ご好評のうちに無事終了しました | ダンスと音楽【音と動きがきらめくところ】

ダンスと音楽【音と動きがきらめくところ】

2024年1月26日 18:30開演
会場:西宮市プレラホール
音楽の生演奏と、ダンスを楽しんでいただく時間をお届けします。

 先週金曜日、もう2日経ちますが、なんだか夢のようなふわふわした、充実した本番終了後の浮遊感を楽しんでいます。

 出演者の皆さん、スタッフの皆さん、そして何よりもお客様のお蔭で、大方の様相をはるかに上回る、濃密な公演となりました。

 

(1)豊永洵子 矢木一帆 竹本玲美(p)「IMAGINE」ドビュッシー(1862-1918)「映像」第1集「水に映る影」、第2集「動き」「荒れた寺にかかる月」


(2)田中早紀 古川莉紗(p)ラフマニノフ(1873-1943)「前奏曲」嬰ハ短調作品3-2、「交響曲第2番」第3楽章、「パガニーニの主題による狂詩曲」第18変奏を抜粋・編曲坂本龍一(1952-2023)「energy flow」「The Sheltering Sky Theme」

>>休憩 <<
 

(3)菊池航 東瑛子(vn)「ふるえるあわい」テレマン(1681-1767)「無伴奏ヴァイオリンのための12の幻想曲」第1番変ロ長調第1楽章ラルゴアイリッシュ・ジグ

(4)後藤俊星 宮本萌 水速飛鳥 横石雄紀(能管、p)「追憶の天衣」盤渉序ノ舞より(能管)徳山美奈子(1958- )「序の舞~上村松園の絵に基づく~」「ムジカ・ナラOp.25」

 

【舞踊の流れ】
本日は大変な寒さの中、ご来場いただき、本当にありがとうございます。
赤ちゃんが何か手や足をばたつかせているのも踊っているように見えますし、心臓の鼓動はリズムに違いありません。しかし、舞踊と言い音楽と呼ぶ以上、そこには表現することへの意思が存在します。特にそれが個性的な個人の表現として強まったのが、近代以降の現象だと言えるでしょう。
クラシックバレエが物語を高度なテクニックで綴っていったのに比べると、20世紀初頭に始まったモダンダンスは、振付家やダンサーの個性や感情を強調し、「表現」であるという性格が強まりました。
1960年代になって、アメリカで「ポストモダンダンス」という、表現しないことを強調するダンスが生まれます。テクニックを否定し、日常的なしぐさの単純な反復に終始する、観客と出演者の垣根なんてないよね、的な。
コンテンポラリーダンス(現代のダンス)が始まったのは、その後のことです。バレエ(テクニックと物語)、モダン(個性や感情)、ポストモダン(日常性)のすべてを呑み込み(テクニック以外)、なんでもあり、誰でもできると揶揄もされましたが、身体を動かすことによって自分を表現でき開放することを知った人が増え、コミュニティダンス=ダンスによって人のつながりを作ることが広まったことも大切なことでした。
その後、コンテンポラリーの「なんでもあり」な精神を、一流のバレエ団、バレエダンサーが吸収し、ヒップホップ等とも融合して、現在に至っています。
今日演奏される音楽も、室町時代に遡れる能楽、18世紀のテレマンから今を生きている徳山氏まで、ドイツ、ロシア、フランス、日本と、時空共に大きな広がりが見られます。生演奏で舞踊とのコラボレーションですので、アーティキュレーション(音のつながりなど)に意外な発見があるかもしれません。今回は初めに音楽ありきの作品が多く、興味深いことです。
今日ご覧いただくダンサーは、バレエを中心にしながら様々なバックグラウンドを持っています。多様なありようを見ていただけることと思います。音楽と舞踊が対等に組み合うことで、音楽が音に、舞踊が動きに分節され、個々の要素が宝石のように、皆さんの中できらめくのではないかと期待し、この4作品をお届けしたいと思って、本日を迎えました。それぞれに、お楽しみいただければ幸いです。            (上念省三 制作、ダンス評論)


この公演について、森真悠さん(近畿大学文芸学部舞台芸術専攻2回生)と上念による稽古場レポートを掲載しています。また、今後公演評を掲載の予定です。ぜひご覧ください。

本日の感想、批評などを発表したいと思われる方は、上掲ブログに掲載しますので、ご連絡ください。kirameku@mirai.re

本公演は、
兵庫県芸術文化活動機会促進事業
 https://web.pref.hyogo.lg.jp/kk18/ac13_000000011.html
(公財)神戸文化支援基金

 https://kobushi-kikin.com/
から助成をいただきました。深く感謝申し上げます。神戸文化支援基金は来年度の募集は終わったようですが、兵庫県のほうは2~3月ごろ募集があると思います。興味のある方はお調べください。
また、当ホールの指定管理者である西宮地域創生共同体 ㈱アトリエミック様からは、有形無形のご支援をいただきました。深く御礼申し上げます。

チラシ等に使用したイラストは、イラストAC(https://www.ac-illust.com/)という商用利用OKのフリー素材から、nodeqさんのものを使わせていただきました。また、主に使っているフォントは、2002年発売の游明朝体です。

舞台・音響・照明 神戸国際ステージサービス(株)
当日会場スタッフ 大利美桜、水谷百季
ブログ執筆 森真悠
企画制作 上念省三 https://note.com/sjonen