『なんであんな事が、
   起きたんだろう…?』

私達ももしかしたら。。
過ちを起こしてしまっていたのかも。。

知れない。

虐待を受けた時の苦しみや痛み…
何よりも自分の世界の根幹である人、
つまり養育者である親にそれらを受けて
しまっていたら。。

その後の自分の人生に暗い影が
落ちるのは確かだ。

そして、

実際に私もその一人で、
今だに心に影が落ちています。






『登場人物』

兄・明人(アキト)~中学2年生『14歳』
父が蒸発してから母が壊れていき、
自分が家族を守らないと…と、
いつも考えていた。。

妹・真帆(マホ)~小学4年生『10歳』
父は真帆が生まれる直前に蒸発した。
母のアルコール依存に苦しめられ、
母の異常な執着により学校に通えない。

母~アルコール依存症。
夫が蒸発してから少しづつ
アルコールに逃げるようになった。

父~10年前に蒸発して行方知れずとなる。
祖母~母との確執がある。



『Who killerd that family』

~あの家族は一体何に殺されたのか~






「泣かないで。。」



いつも少女は思っていた。。




誰に対して?



幼い頃の記憶。。



母が泣いていた姿が

記憶の奥底にずっとあり、


母がなぜ泣くのか幼い私には

分からなかったけれど。。


(大切なお母さんが泣くなんて…)


幼い私にはショックで、

何よりも悲しかった。。


だから、


それを見た幼い私は、

母を元気づけたくて、


あえて笑っていたのだと、

後に母から聞かされた。



『泣かないで。。』



母に兄に、


そして私に。。



『どうか泣かないで。。』



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少女には思い出したくない

虐待の記憶があった。


目の前で兄が激しく

母の内縁相手に殴られて泣いていた。。


それを止めたくて…でも怖くて。。


少女…私(真帆)もただ泣くしかなった。。


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冬が来るとこの地方は寒さ厳しくなる。


手先や足先が冷えて…真っ赤になって

しもやけが出来るくらい。


私…真帆と兄…明人は、

事ある毎に内縁相手から虐待を受けていた。


寒い夜に。。


雪が降る夜に。。


罰だと言って外に立たされた。


謝っても…謝っても、

外に出ろと言われてしまう。


裸足で立っていろと言われ、

仕方なく外に立った二人は、


ひどく凍えていた。


特に足が痛くて冷たくて、

真帆は泣いてしまって。。


明人も泣いていた。


ふと空を見上げると、

満月が夜空に浮かんでいた。




凍てついた地面を白く月が照らした。


そして二人の姿がぼんやりと照らされて、

もしかしたら?誰かが私達を見つけて

暖かいところに連れて行って

くれるかもしれないと淡い期待があった。



『助けて』


泣いても叫んでも。。

その声は誰にも届かなかった。


今となって思う。。


周りは気づいていたのだろう。。

ただ迷惑事には関わりたくない。


そんな空気が周りから感じられた。


学校の担任は見て見ぬふり、

近所の家からも何かにつけて避けられて…


何よりも一番助けて欲しかった人…


母親さえも

この虐待を止めてはくれなかった。



『助けてくれないんだ…』



二人は絶望を感じてしまった。。


特に…真帆は、


いつか、


いつか、


この虐待をする人間を消したい!


どうか、


どうか、


神様お願いします。


そう願うようになっていった。。






 『戦場のメリークリスマス』








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