『登場人物』

兄・明人(アキト)~中学2年生『14歳』
父が蒸発してから母が壊れていき、
自分が家族を守らないと…と、
いつも考えていた。。

妹・真帆(マホ)~小学4年生『10歳』
父は真帆が生まれる直前に蒸発した。
母のアルコール依存に苦しめられ、
母の異常な執着により今は学校に通えない。

母~アルコール依存症。
夫が蒸発してから少しづつ
アルコールに逃げるようになった。

父~10年前に蒸発して行方知れずとなる。




『Who killerd that family』
~あの家族は一体何に殺されたのか?~






煩わしい。。

邪魔。。

私の人生を返して。。

母親の中には黒いしみのような
自己憐憫(じこれんびん)が生まれていた。。

母になると誰しも、
自分の時間を費やすことで、
精神的にも肉体的にも余裕が無くなる。
ストレスも相当のものとなる。

しかし協力してくれる家族や
配偶者、そして友人だったり…

周りのサポートがあるものだが、
そのサポートはいつも彼女を
責める母親だけで…

それが彼女をますます孤独にしていった。。





真帆は4歳になった。
明人は8歳で小学校二年生。

朝、二人は起きるけれど…
母は起きてこない。。

二人は朝ごはんを食べることは稀で、
近くの祖母宅でご飯を食べていた。

記憶に残っている温かいご飯は、
ホカホカと美味しくて*。

お腹を満たすだけでなく、
心も満たされていくのだった。

祖母はいくら娘~明人と真帆の母とは、
確執があっても孫が可愛かった*。

そして二人の子供達には
それが何よりも嬉しかった*。




「あのね、おかあさん。
   おばあちゃんちでご飯たべたよ」

「そう…」
(また後で嫌味を言われるに決まっている)

「おばあちゃん、あとでこっち来るって」

「ああ、その日はお母さん出かけるから」

母親は家を空ける事が多くなった。
自分の親と会うのを避ける為だろうか?

夕方になると着飾って、
赤い口紅を差して出かける。

真帆は一緒にいて欲しい気持ちを抑えて、
綺麗に着飾った母親を見送った。

(どこへ行くんだろう?さみしいな。。)

「真帆、お母さんは?」

明人が帰ってきた。

「おかあさん、出かけたよ。」

「また!嫌だな。ご飯ってある?」

「ううん、ない。どうしよう?」

冷蔵庫を開けると少しだけ
パックに入った豚肉があった。

明人は慣れない手つきでフライパンで
豚肉を焼いて醤油をかけた。


それが二人の晩御飯。


それが当たり前の日常。


貧しくて満たされなくても、
そこに少しだけ優しさがあれば良かった。





「おい?今日はずっといられるよな?」


「ずっといられるわ。」


「あいつらは?」


「母が適当に見るでしょ…」
「私なんてそんな必要じゃないし。」


「あいつらさえ居なかったら」
「すぐ一緒になるんだけどよ」


。。。。。


「うん…そうね。。」


貧しくても…

満たされなくても…

そこに少しだけ。。

優しさがあれば良かったのに。。





「ワダツミの木」by 元ちとせ




星もない暗闇で
彷徨う二人が歌う歌♬.*゚






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長らく更新をお休みして、
申し訳ございませんでした。


諸事情により、
blogを書けずにいました。


『Who killerd that family』

こちらの物語は実は、
ごく身近で起こった事件を
元に書いています。

当時、私は上京しており、
母や兄弟からこの事件を
知らされ大変なショックを
受けると共に…もしかしたら
自分もそうなっていたのではないかと
危機感を感じていました。

。。児童虐待や家庭内暴力。。

それらは一時のもの単純ではなく、
環境や生い立ち、貧困や差別、
複雑な問題が絡み合って起こります。

最悪な状況が生まれないために
私達が出来たこと、出来ることは
何だったのだろうか?

考えながらこの小説を書いています。
そして読んで下さりありがとうございます。

2023・11/7MR🍀*。(あーるけー)