『プロローグ』



大丈夫よ*°頑張った。

あなたは頑張った。。


だから…苦しくないからね。

独りじゃないからね。。


ゆっくり休んで。。



呼吸が荒い…肩で息をしている。

抱えた肩が震えて… 


目が虚ろ…意識レベルが低い。。


肩を掴む手が汗ばんで、

緊張が走った。。



この患者さん…来た時からもう既に

余命宣告は受けていた。

身内の話や故郷の話は一度も、

聞いた事なかったな。。


どうか少しでも苦しまないで。。






東京の下町、山谷地区。


充分な医療を受けられない者の為に、

NPOが運営するホスピスがそこにある。


天涯孤独であったり…

身内から見放された…

事情を持つ患者の看取りまで行い*°


『一人では決して逝かせない。。』


いよいよ…臨終の時は、

看護師が患者に寄り添い、

最期を看取る事を続けている。。





とにかく寝たいし、

頭がぼーっとする。

良く見えないな。。


俺の人生さ、

なぁんにも残らなかった。。

なぁんにもいいこと無かった。。


だってさ。。

駄目なんだ。。

俺、生きてちゃ

駄目だったのかな?


誰だろう?

誰が俺を抱きしめているんだ?

ちょっと痛いけど…まぁ良いか。。


一人じゃないから寂しくはない。。


それにやっと…終わる。。







『Who killerd that family』

~あの家族は一体何に殺されたのか?~








~昭和~




東北の港町。



梅雨に入ると『やませ』がふいて、

ストーブが必要なくらい寒い。


代わりにと言ってはおかしいが、

雪はあまり降らない土地柄でもある。



地方の土地柄が色濃く残り…

風土や風習に習い皆、

静かに生きていた。



しかし都会から離れている為、

何をするにも不便だった。


そして、


全ての若者には、

都会への憧れがあった*°


『あの時は皆、そうだった。』


戦後の高度成長期を経て、

昭和時代日本は大きく発展した*°


『働けば、頑張ればその分貰える!』


夢や希望があり活気があった*°


けれど、その中で。。

挫折をして…苦しむ者も少なからずいた。


今ではメンタルヘルスの治療や、

発達しょうがいと言う生まれつきの

障がいがあるというのも分かっているが、


当時は『落ちこぼれ』というレッテルを

貼られたままだった。。


『社会の無理解』


。。。。


社会から見放された人達は…

行き場を失ったまま、

ただ…息を潜めていた。。


せめて…


一人でも手を差しのべてくれる

人が居たならば。。


『小さな希望』を持てたかもしれない。



そして、



悲しい事件は、

起こらなかったのではないか。。?




そう想う*°



『あの家族は一体』



『何に殺されたのだろう…。』





『Let It Be』The Beatles 

『Let It Be』


~あるがままという意味~








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