正確な日付は覚えてませんが以前書いた記事にあるとおり
2008年病院で「薬出せません」と不妊治療打ち切りされた
あたりの夏の出来事だったと思います。

教会では新婚さんや若い家族が増えていました。
そしてベビーラッシュも続いていました。
義妹夫婦も出産、義弟夫婦のところも妊娠中。

それでも私はベビハムたちの子育ても終わり、解放され
教会では心楽しく積極的に乳幼児のお世話をしていました。

当時、私ともう一人だけまだ妊娠してなかった人がいました。
その当時から1年半くらい前に結婚したばかりの新婚さんです。
ところがある時期から見かけなくなり、また来るようになった頃には
ふんわりした服を着るようになって、あれ・・・・??とは思っていました。
そしてある日妊娠しているという噂を耳にしたんです。

自分の中では吹っ切れたと思っていたのに、ガラガラと音をたてるように
心の中で何かが崩れ落ちました。



この中で私たち夫婦だけに子供がいない。
私だけが母親じゃない。


まるで最後の砦を失った兵士のような絶望感が私を襲いました。
治療打ち切りでうちのめされた後に続く第二弾です。

でも私はそのショックも悲しみも誰にも言わずに過ごしていました。



「子供がいないのは私だけじゃないのだし。」


その事実を支えにしていたことを、私はその時ようやく気がつきました。
恥を晒してしまいますが、、、、
新婚さんといっても、すでに奥さんはその時30代になっていたので
私みたいにすぐ妊娠とかしないかもしれないし、などという今思えば
相当失礼なことを考えてたのです。
だから心の準備が全然出来ていませんでした。

彼女の妊娠を知ってから翌週の日曜日。仲の良い友達Mちゃんと
朝、挨拶を交わしました。
私はいつもどおり笑顔で普段通りにふるまいました。
誰一人として私の異変に気がついていません。

ところが、彼女はしばらくしてから私のもとへきて
手をひいて廊下の隅っこへ行きました。

「ねえ、大丈夫?なんかあった??」
と心配そうに私を覗き込みます。
誰も私の変化に気づいてなかったし、私もそう見えないように
普段どおりに振舞っていました。
「え?別に~。何もないよ~。」と急にどうしたの?という風情に
笑ってとぼけました。
彼女は真剣な眼差しで



「うそ。」


と、すかさず言いました。


「わかるよ、私。なんかあったでしょう。
もし嫌じゃなかったら話してみて。」
と言うんです。

私は観念して理由を話そうと
「実は・・・」
と言い出すと同時に、ずっと隠してた気持ちが

涙になってどっと溢れ、何も話せなくなってしまいました。


不妊治療を医師から断られたショック、挑戦すら出来なかった悔しさ、

解決手段が見つからない焦りで精神的に立ち直れていない中での

この事実。
それを誰にも話さずに内側で溜め込んで膨らんでしまっていた

その気持ちを針でポンと突き刺されて、破裂してしまったように

なってしまいました。


Mちゃんは私の手をぎゅっと握って背中をさすってくれます。
その優しさが私の孤独な心に触れて、私は肩を震わせながら
泣きました。

誰も気がつかなかったのに彼女だけは気がついてくれた。
神様は彼女を天使として私に送ってくださり、愛を示して
くださった。
そのことが本当にありがたく心に染みました。

Mちゃん自身、7年もの間子供が出来ず、苦しみ、
多くの涙を流した人でした。

私はいまだに愛を示すのが下手な人間ですが、
彼女は本当に気配りが上手で愛をよく示してくれました。

だから私の悩みに理解を示し、経験を分かち合ってくれて
常にその孤独に寄り添ってくれた、どんなに感謝しても
しつくせないほどの存在として、彼女は尊敬する聡明な

女性として私の中でずっと君臨しております。

そしていつか私もそういう人になりたい・・・と願いつつ
まだ実現できず四苦八苦しているところです・・・。あせる