https://youtu.be/QK-Z1K67uaA?si=Yru5HE7tYNAee1Wl 


現代では日本人の多くは最晩年を養護施設で過ごす。

それが当然だと皆が認識してる…
というより死に場所が我が家ではないという現実に抗う術は持たされない。

何時も静かで穏やかで「ありがとう」を口癖の様に言うおばあさんがいる。

食後には沢山の薬を飲まなければならない。

最近は錠剤も多く飲むのに苦労している。
昼食後 おそらく共に暮らしているお嫁さんが用意したのだと思われる服薬ゼリーにたくさんの薬を入れて施設の看護師さんが用意して与えていた。

その時 看護師さんが「お家の方が飲み易いようにと用意してくれたんだね♪ ○○さんは幸せだね♪」というと突然 そのおばあさんの表情が崩れ 「ありがとう…」と手を合わせて涙をこぼした。

側にいてその様子を見ていた人も思わず涙ぐんでしまう様な情景だった。

雪深い北国の田舎町では本人の老いによる不自由になって来た動きや暖房などに目配りして共に暮らす事が冬場は特に困難な状況になる。

それに加え 日々の暮らしの為に生活費を工面しなければならず 田舎故に仕事は限られ、更に多くは給与の少ない職場で夫婦共稼ぎが当たり前になっているので 日中 老人を見ている事が出来ず 仕方なくショートステイや特養に入所させなければならないのが現実だ。

まだ認知機能は落ちていなくても 当の老人はその事が解っているので子供達の判断に従って入所してくる。

そのおばあさんが正月元日 多くの入所者が自宅に戻って一人だけになった施設の部屋で小さく呟くのを聞いた…
「私は今年は正月の元日も此処なんだな…」

職場のショートステイでは何時も何かしら年寄りの 本音 に触れたり見聞き する事があってその度に我が身のこの先を思わせられている。

子供怒るな来た道じゃ 年寄り嗤うな行く道じゃ

皆 明日は我が身の事。