金縛りは「地縛霊」のしわざではないか?

 

私はこんなことを考えるようになっていました。

私は敵対することになるこの「地縛霊」と言う言葉が凄く威圧的な言葉に思えて、

怯える日々を過ごしました。

「地縛霊」が私をこの地に縛り付けているような気がして、

家の自分の部屋がだんだん重苦しい場所になっていきました。

 

でも、自分が家に居なければ逆に、「地縛霊」から逃れて金縛りに遭う事はない。

そう思うと外泊が金縛りから逃げられる手段の一つになりました。

友人の家に泊まったり、旅行で旅館に泊まったり。

その期間だけは心が楽になって快適に過ごせていました。

 

ところがある日、友人の部屋にいた時のことです。

妙に足元がひんやりしたり、部屋に繋がる暗い廊下に友人の他に

もう1人の人の気配がしたり。

これは、自分の部屋にいる時と同じ感覚ではないか。

だとすると私の金縛りは「地縛霊」が自分に付きまとうようになったのでは?

 

そう思うと事態は悪化している。まずいな。

何といっても今日ここで金縛りに遭いたくない。

しかし、警戒は空しく友人宅でも金縛りに遭うことになりました。

なんだか、だんだん追い詰められていくような気がしましたが、

防ぐ手段がありません。

こうして、私の戸惑う日が続いたのでありました。
 

続く