私は金縛りの恐怖と重圧に苦しみながらも、日々頭の片隅に

金縛りに対して分析と打開策を考えていたようです。

 

気付いたのは、どうも金縛りにあう時間は限定されているということ。

昼は金縛りにあいません。

また、夜の熟睡している時間も同様です。

金縛りは起きている状態から寝ている状態に移行する時間にやってきます。

 

これは一体どういうことなのか?

金縛りが幽霊の仕業とするばらば、

人の意識がはっきりとしている、いわゆる覚醒している時は

近寄れないということではないか。

また、熟睡している時は仮に近づいていたとしても人は気付かない。

だから、起きている時と熟睡している時の中間の「うとうとしている時」に

襲ってくるのである。

 

そこで、私が考えたのはこの幽霊をカメラで撮影しようということだった。

私はとても怖い思いをずっとしていて、精神的にも疲れていました。

どうせこのまま怖い思いをし続けるのならば、幽霊がどんな姿をしているのか

見てやろうと思いました。

 

当時、自分の一眼レフのカメラを持っていたので、三脚にカメラをセットし、

カメラに付けたリレーズのスイッチを自分の手に持って、

幽霊撮影の準備をしました。カメラは自分の頭の斜め前方向から自分と自分の

上方が見える構図でセットしたのです。

首筋がゾクゾクしてきたので「今日は金縛りが来るぞ。」と待ち構えました。

しかし、金縛りが来た次の瞬間、自分の失敗に気付きましたが、とき既に遅し。

 

金縛りとは体が動かなくなる苦しい状態を言います。

私はシャッターを切ろうにも指一本動かすことは出来ず、

金縛りにあっている時の写真を撮ることはできませんでした。

 

続く