それは大学3年の夏の事だった。
皆が『シュウカツシュウカツ』と何やら新しい豚カツの話をしていたが、私は牛丼派だったので特に話に加わる事はなかった。
思えばもしあの時私が豚カツ派だったら、大学を5年間やっていなかったかもしれない。
なんて残酷なのだろうか?豚カツ派だった奴は今頃、一生懸命働いている。あの時『シュウカツ』の話に全く興味を示さなかった私は、ただのニート予備軍である。
しかしあの時私が牛丼派だった事実は消えない訳で、大学5年生という紛れも無い現実を受け入れなければならない。
そんな平凡な夏休みを送っていた私こと筋肉マン太郎だったが、一つだけあるコミュニティに所属していた。
学生団体である。
確か団体名は『SOS』だったか『SSS』だったか気がするが、これはただのアニメの見すぎかもしれない。
ちなみに私はゆりっぺが好きである。
ん?誰だ劣化ハルヒって言った奴?
そう私は何故か学生団体に所属していた。
ここでは特に入った経緯や、学生団体の活動内容には触れないでおこう。もしかしたら芸能界を引退しなければならない事態になるかもしれないからな。
いつものように進捗確認や今後の活動内容についてミーティングをしていると代表がこう口にした。
代表『ショルダーバッグがちょうど間に挟まって胸が強調されている人を見るのと、ミニスカートで自転車を走っている人を見るのとどっちが嬉しい?』
私『ショルダーバッグをかけた女の人がミニスカートで自転車に乗ってるのを見るのが1番嬉しい。』
という今の会話は完全に妄想であり、私の性癖がうっかりばれてしまったという事でも決してない。
実際の会話は
代表『東と西の連携を深める為に東西ミーティングを行おう!』
であった。
この学生団体は関西にも拠点があり、東と西で分かれて活動をしていた。
活動内容の違いは多少あったものの、最終的な目標は一緒である。
わかりやすく例えるならば、セ・リーグとパ・リーグ分かれてペナントレースを行い、最後に日本シリーズで共に戦うといった感じだ。
『去年は東と西で連携が取れなかったらしいから、今年は実際に我々が出向いて合同ミーティングを行えば、去年のような事にはならないはずだ。』
という感じで、東のメンバー10人前後で京都に出向く事になった。
ここで私が
『京都は味噌カツが有名だから楽しみだよな~』
と当時流行りだった『シュウカツ』の話に便乗しようと思ったが、吉野家を裏切るのは心が痛むのでやめておいた。
ところがこれが大正解であり、もし言っていたら危うくシュウカツのスペシャリスト達に、
『おめー味噌カツは名古屋だろうがwwwwwもっとシュウカツについて勉強してから出直してこいやwwwww』
と馬鹿にされるところだった。やはり知ったかはよした方がいいだろう。
そんなこんなで当日を迎えたのであった。
次回『夜行バスで皆の視線が私に集まったあの時、私の心臓は高鳴りをあげていた。』
つづく。