がらくた候補生 | Clock knock

Clock knock

いつでも変わらない時間と場所

また1日が終わったな、と思う。
終わったのではなく過ぎた。
何の跡も残さなく。
誰かに評価されるにはどうしたらいいのだろう?誰かに愛されるにはどうしたらいいのだろう。
僕が考えるのはそんなこと。
どうしたら幸せになれるのだろう。

色々なことを考えた。
勉強が出来る人間であればいいのだろうか。思いやれる人間であればいいのだろうか。
けれど結局のところ僕は僕でしかないのだ。僕が僕であったから、僕は今空気を吸い無駄と自虐する時間を緩やかに穏やかに過ごせるのだろう。

人の失敗とは何だろう。
してはならないことはなんだろう。
するべきことは分かっている。
本を読み、教科書を紐解き、人と接し、円満な人間関係を築くのだ。
そう、死んではならないのだ。
積み上げてきた可能性を殺してはいけない。僕が生きているのではなく、僕が積み上げてきた可能性のために生かされている。
誰のためでもなく。

「君は本を読むと言ったね」
「なら知っていたんだろう?」
「世の中が当たり前のことを成し遂げられなかった人間に」
「どれだけ厳しくて」
「どれだけ冷たいのかを」
「ならば何故?」
「君は選んだんだ、力を持たない道を」
「なのに何故?」
「武器を手に入れようとしない?」
「武器に近付く努力すらしない?」

僕はがらくた候補生だ。