今から10年程前になりますが、
私は、進学校の購買部で、
お弁当販売
を、していた経験があります。
（通算１５年くらい？）
ちょうど、うちの子供達が
小・中・高
と育つ過程とリンクして
私には、楽しい仕事の１つでした。
進学校の先生方は、精鋭ぞろい！
私学で、礼儀作法も重視していた その学校は、
生徒さんも 皆 キチッとしていて…
私からしたら、
もう少し、羽目をはずしてもいいのでは⁉
と思うほどでした。
でも、そんな子供達が "ヤンチャ” な一面を
見せるのが、
１２：００のチャイムと同時にスタートする
お弁当販売！で
日替わりメニューが、１日4種
月～金で、合計20種
写真付きで、貼り出していたので…
自分のお目当てのお弁当を
GET すべく、１Fの購買まで、階段を急ぎ足で
（走ってはダメなので）
降りてくるのです。
買い方も色々で、
間に合わないと分かると、先に並んだお友達に頼む子やら、
お弁当を２つ買う子、
人気メニューで、なかなか手に出来ず、
やっとGETできて、
嬉しそうに抱えて行く子、
中にはしゃべれず、指でさす子や、
お金を投げる
子…
この仕事で私が目指していたのは、
お弁当を キレイに食べきって貰うこと！
メニュー決めや、ボリューム、味付けまで担当していたので、
責任重大です！
でも幸いな事に、クラスのゴミ箱に、
お弁当の容器を捨ててはいけないルールがあり、
食後はまた、ゴミを捨てに、１Fに降りてくるのです。
私はここをチャンスととらえ、
情報収集していました。
先ずは、美味しかったか？ マズかったか？
はマスト‼
そして、お弁当を残したときは、ドサッと重い音がするので、
すかさず、何が嫌で残したのか？
聞くようにして居たのです。
一日中すしずめのスケジュールの中、
ご飯の時だけは、
あったかくて、美味しいものを、食べてもらいたい‼
そう思っていたからです。
1～2年もたつと、
からの容器を、"ご馳走さまでした！”と
笑顔ですてて行く子が殆どになりました。
そのうえ、中には、
午後の授業のチャイムが鳴るギリギリまで、私のところで、
お喋りして行く子も居て、
思うに…
先生や、お母さんとも違って、
𠮟られる事なく、気も使わないで話せる、
近所のおばさん（きぼうは、お姉さん）的な
存在だったのでしょう。
本当に沢山の、生徒さんたちの卒業を、
微笑ましく、見送らせて頂きました。
そんな中で、今でも忘れられない、男子生徒との
関わりがあったのですが、
その子は、お母さんが忙しく、食事を作って貰えない
とのことで、
よく私に、自分の家に来て、
"ご飯を作ってほしい！” と言っていました。
ある日、私のところに、彼がやってきて、
"オレ、もう学校やめるから！”と言うのです。
私は驚いて、とにかく話を聞きました。
彼の訴えは、
何やらトラブルが有り、自分の話もよく聞いてもらえず、
停学処分になるから、"辞めてやる！”
との事でした。
このまま会えなくなるのかな？
と心配していると…
２日目も、"オレ、やっぱり辞める！”
と１Fに来ました。
今日は、私の話も聞いて貰おうと、
"事情は、よ～く分かった‼”（よく分からなかったけど）
でも、"短気は損気”
"２年生なかばまで来て、中退はもったいない‼”
"ご両親のきもちも考えてあげて！”
とにかく思い付くかぎり、
その子を思って説得したのです。
すると、小さな声で、"わかった”と言い
教室にもどって行ったのでした。
先日、講座の中で…
たった一人（家族でなくても良い）の理解者が居るだけで、
子供は、自信をもって、自分の道を歩んでいける！
という事を学びました。
もしかしたら、その子にとっての、
"たった一人”
になれた瞬間だったのかも知れません。
その後、ぶじ卒業し、大学も卒業し、就職が決まったとき、
お弁当販売の時間をめがけて、
その子が、報告に来てくれました。
私にとって、かけがえのない思い出の一つです。
長い文章を読んで頂き、ありがとうございました。
最近笑えない、何故か心も体も重くてつらい、
そんなこと感じていませんか？
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