阿蘇山で12/26午後から火山性微動の振幅が活発化して臨時の解説情報が出ています。

 

 

防災科研さんの火山観測情報によれば、

 

(防災科研HPより)

の地震計振幅グラフで26日午後からポンと振幅が半桁上昇して

持続していることを指していると思われます。

 

今日の中岳の様子はこんな感じ。

 

(気象庁HP火山監視カメラ)

 

噴煙の様子に特に変化はないようです。(星がきれい)

 

阿蘇山は10/20に中程度の水蒸気爆発を起こしています。

(気象庁監視カメラ映像より)

 

同じく防災科研さんの上記HPによれば、

この少し前、今年の夏ごろから、中央火口丘を挟む基線の長さが、

それまでの収縮または定常状態から、伸長に転じているようです。

 

(防災科研HPより)

上から3番目、5・6番目のグラフが8月後半あたりから右肩上がりに転じている様子が

みてとれます。

 

火山体を挟む基線の伸びは、マグマの上昇や補給などに伴う火山の膨張に

関連付けられることが多い現象。

 

ただ、伸長しているのは「ASNV」という、

カルデラ北西端部の観測点を起点とするもの3本(下図で赤とピンクの線)で、

同じく中央火口丘を挟む基線でも、中央火口丘の北東山腹の「ASIV」を起点とする

基線(下図黄色二本;グラフ1・2番目)は伸長が認められません。

 

(防災科研HPのマップに加筆)

 

上図で、カルデラ北西部に北東~南西に引いた茶色の線は、

熊本地震を引き起こした布田川断層(帯)のおおよその位置で、

観測点「ASNV」と他の観測点との間ぐらいかなぁという感じです。

 

 

結局、現地調査の結果、今のところ火山ガスの増加等はなく、火山活動の活発化は

確認できなかったということです。

 

 

上記基線の伸長は、基線がまたぐ布田川断層の活動(熊本地震の余効変動)

を反映したものであって、火山の膨張を反映したものではない、という可能性もあるのかなぁと

考えてみたりしています。

 

カルデラ内に3万人以上の人が住んでいます。

火山性微動の増加や基線伸長が、火山活動の活発化と無関係であればよいですね。