噴煙は最終的に3500mまで上昇。
規模としては中規模噴火ですが、火砕流が発生し、
火口間近に有人施設があって
火砕流(火山灰の大量降下)に巻き込まれた中岳登山者もいて、
ちょっとした風向きの相違などで被害者が出かねない
危険な噴火でした。
噴火最盛期でも黒煙に白煙が混ざっているので、
水蒸気爆発(せいぜいマグマ水蒸気爆発)ぽいですね。
〇動画素材リンク(YouTubeリンク)
たった2分で状況が一変している怖さ。
〇予兆
による噴火前後の地震計振幅データでは、
2日前の10/18ごろから振幅が常時の2~7倍程度に上昇した
状態が48時間程度継続したあと今回の噴火が発生し、
噴火後12時間程度でほぼ常時の振幅に戻っていることがみてとれます。
活動が高まっている中での噴火発生だったことがわかります。
ただ、噴火直前より振幅が大きかった18日午後には大きな噴火はなかったわけで、
あとからいろいろ言えますが、
これだけで噴火規模を予測できるとはいえない感じです。
強いて言えば、常時より振幅が高まっている状態が続いていたり
上昇する流れにある時は注意する、ぐらいでしょうか。
特に、今回のように水蒸気爆発の性格を帯びたものは、
マグマの大きな動きを伴わないことも多く、観測値に事前に異常が生じにくいため、
御嶽山の時と同様、突然発生することがあり得るので、
注意のしようがない(そもそも近づかないようにするしかない)といえます。
同じく防災科研の阿蘇山ページで噴火直前(11時台)の詳細な地震波形を参照しても、
おおむね噴火した時間帯に波高が大きくなっているだけで、噴火前は、
朝から静かです。
(横軸1分、縦軸60分。1分間の波形を60本縦にずらせて並べたもの)