2021年4月26日午後8時ごろ、札幌市を中心に石狩湾沿岸から石狩平野一帯で

なぞの爆発音と振動が観測されたことが一時話題になっていました。

 

その時の北海道ニュースUHBの速報は次の通り。

京大防災研による

隕石落下による衝撃波との分析が紹介されていました。

 

 

その後、火球の観測事実がないとの異論が出て、

北海道ニュースUHBさんは3週間後、詳細な取材をもとに

再度報道。学術的に裏を取りながら証言を集めた、

非常に優れた追跡取材です。

 

 

ここでは、戦闘機やミサイルなど、人口飛翔体の超音速飛行による

ソニックブーム(衝撃波)の可能性に言及。

 

京大防災研は、過去琵琶湖上空で隕石が爆発した際の地震波形の特徴との比較から、

隕石によるソニックブームとの見解を変えていません。

 

残念ながら波形がどう違うのかについては上記放送では詳しく触れられていません。

 

ちなみに、航空機等によるソニックブームについては以下参照。

 

 

今回の札幌の案件の地震波は下記サイトに拡大図が載っています。

 

 

京大防災研が論拠とする琵琶湖の隕石による地震波形は下記サイトに掲載されています。

 

 

人口飛翔体による衝撃波に起因する地震波形は(琵琶湖や今回の札幌の波形とは異なり)

もっとパルス状(波形の立ち上がりが急)になるはず、というのが、隕石説の論拠のようです。

 

確かに、波形のピークはどちらも複数回(2~3山)記録されています。

(札幌のは大きな振幅の前に初期微動的な微振動が観測されているのは

なぜなのか気になりますが。琵琶湖のにはそういう特徴はないですね)

 

ただ、戦闘機による衝撃波も機首と機体後方部との2か所から発生して、

複数回の爆音として聞こえることがあると上記サンテレビのページには記載されています。

 

2年前には、函館で三沢基地所属の米軍機に起因すると思われる衝撃音が

2日連続で観測されたこともあったようです。

 

 

隕石で、大気圏に突入して超音速または空中爆発するまで加速しているのに

発光しない、というメカニズムはちょっと想像しにくいですね。

マイクロブラックホールとか言い出すなら別ですがそれもちょっと。

 

米軍機が何かを試すために超音速飛行を実施した、というのが最も安易な想像。

(防災研の解析が正しいとすると、急降下しながら加速したことになり、ちょっと

危険すぎる気もしますが)

自衛隊のレーダーにも写っていないかどうかや、自衛隊が事前承知していないかは

明らかにされないでしょうから、この先は軍事機密の世界。

 

あとは、地殻変動に起因する石狩湾地下における

地鳴りの可能性ぐらいでしょうか。

 

ただ、石狩湾周辺は、渡島半島西方などと比べ、地震活動は低調な領域。

 

防災科研HiNetより

 

やはり、余市の航空機音の証言から見ても、最有力は米軍機説ですかねぇ。