8/14の記事では、日本の南海上で台風の発生のもとになる

対流雲の発生活動がしばらく不活発になる話をしました。

 

今はどうかというと、

上図、米国NOAAによるマッデンジュリアン振動の現況解析は

上図のとおりで、日本南方の経度範囲(120~160°E)は

9月中旬以降、特に西側で対流活発期にあるようです。

 

先日の14号も、当初小型ではありましたが、この対流活発域の

東端付近で(9/7)発生したものと位置づけられます。

 

そして今日、南シナ海で15号が発生し、

小笠原南方、マリアナ諸島近海で16号が発生しそうです。

 

16号についてはまだ台風昇格前で、大きさや発達具合も

見通しに不確定要素が大きいので、気象庁の進路予想も

 

のように、予想進路中心は28日ごろにかけ本州南方、

沖縄の緯度あたりまで北上するとなっているものの、

予報円は直径1500km近くあってあてになりません。

 

進路は今後の速度と気圧配置の変化との兼ね合いや、

発達規模にも影響されるので、転向しつつ北上してくるのね?

という程度の精度です。

 

台風モデルの予想はここまでですが、

予想天気図では、9/30~10/1にかけ関東にかなり接近するとの

シナリオもあります。

 

上図は9/23の9時起算による10/1の予想天気図です。

(Basso Continuo's Music Pageさんより)

これはもう関東一大事です。

 

12時間前の起算では

 

かなり関東から離れて通過する予想でしたので、

予想の更新につれ進路が西に移行しているようで、

少し気になります。

 

米国JTWCの予想は

 

と沖縄を指向する予想で、これだとこの先かなり本州に接近しそうですね。

 

日本・米国とも、かなりの発達を予想している点でも共通しています。

 

いずれにせよ、こうした最悪のシナリオも考慮しつつ、

この台風の動向には来週末まで十分注意が必要です。

 

ちなみに、毎度同じみ海水温は

(気象庁)

 

のとおり、28日までは30℃以上の海域を進行するので、

発達予想を支持しています。

 

中上層の風系も、秋になってだいぶ落ち着いてきていて、

中層、上層の風系や風速に大差なく、台風の勢力維持には

好都合なようです。

 

(気象庁)

 

(上図は、300hPa(上)、500hPa(下)の天気図。気圧配置はほぼ一致しています)

 

中上層の風速差も、下図のとおり、16号の卵の北側で対流雲からの吹き出し

によるシアが見られるほかは、日本南方海域全般に緑色の低シア状態で、

台風の発達を阻害する要因とはならなさそうです。

 

(ウィスコンシン大の解析)