14号は今のところ、弱まった太平洋高気圧の西の縁を回って
東シナ海か中国東岸を北上するコースをたどっています。
ただ、このあと13日以降、秋台風らしからず、上海沖で迷走する予想に。
上層500hPaの予想図をみてみると、このあたりで太平洋高気圧の
張り出しがはっきりしなくなり、一方で台風の北側には上空の高気圧が
東進してくるようです。
そのために偏西風が北に押し上げられて、
台風はむしろ西へ流されかねない状況になってしまうためのようです。
ちなみにこの上空の高気圧は、地上の沿海州の高気圧に対応しています。
海水温は、南西諸島から東シナ海中部にかけて、29~30℃と
ほぼ平年並みか1℃程度高めで、台風の勢力維持には充分。
参考までにこのあとの予想天気図を追ってゆくと、
台風が九州から東北まで縦断する可能性もあるようで、要警戒です。
予報円からみて、この状況に至るまでに台湾や中国大陸に上陸して
衰弱している可能性もありますが、その場合も、台風から変わった低気圧が
同様のコースをたどって大雨を降らせる可能性を警戒する必要があります。
上で述べた、台風北方の上空の高気圧は、
一日に経度10度程度の速さで東に移動するので、
16日ぐらいになると、上空では高気圧の西側から偏西風が南下してきて、
台風付近で西風が強まり、東へ動き出す可能性があります。
大陸に上陸して熱帯低気圧などになっていても、同じように東進開始の可能性が。
500hPaの16日の予想図は次のとおり。九州に上陸する図が描かれています。
翌17日の地上予想図は次のとおり。
18日には北海道南東沖へ抜ける様子が描かれています。
これらの予想図は台風の進路予想のためのモデルによるものではなく、
あくまでアジア域や全球の気圧配置を予想する中で台風に対応する
低気圧の振る舞いを予想したものなので、精度は期待できませんが、
14号、なんとなく南西諸島から中国へ行ってしまいそうかな、と
思いがちなところ、来週半ばに思いのほか日本列島が重大な影響を
受ける可能性もあることを念頭に、注視を続けた方がよさそうです。
(上記天気図は何れも気象庁HPより)