東アジアから北米の気象衛星画像を合成してみると

のようになって(緑や黄色、赤が雲領域)、

梅雨末期のように、中国大陸から北米(アラスカ)まで雲の帯が河のように連なっています。

 

(写真はウィスコンシン大学のHPより2枚を合成)

 

 

本来なら太平洋高気圧が強く、台風なども発生して変動が大きいこの時期、

梅雨時でもみられない執拗さで降水帯が張り付いて未曽有の災害となっています。

 

先週相次いで接近・上陸した台風も、この大気の河の先住民、

同じ穴の狢(むじな)だったようです。

 

数値計算による予想は、こうした止まった現象の予測が難しいのではないかと

思われますし、梅雨前線(一応、立秋後なので正式には秋雨前線)は

まさに暖湿気流の河で、特に西日本以西では明瞭な前線面が定義しにくいため、

今後の確定的な予想はしにくいところと思いますが、

週間予想支援図は下図のようになっていて、

8/19~20あたりで潮目が変わりそうな雰囲気。

 

気団の様子がわかる相当温位図でみても、

今後オホーツク海高気圧の「押し」は21日にかけ徐々に

弱まってゆく予想になっています。

 

ただ、太平洋高気圧の張り出しも弱く、本州付近には中国大陸南部からの

暖湿気流の流入がだらだらと続くことが示唆されているので、

同じところでの豪雨は収まるとしても、あちこちで強い雨が降る

すっきりしない天候が続く可能性はあります。

 

こうした変化も、予想図でフィリピン付近に顔を出す熱帯低気圧が

予想どおり発生するかなど、

太平洋高気圧を強める、周辺の対流活動がどうかにかかっているところもありそうです。

 

ちなみに、熱帯域の対流活動の推移を示すマッデンジュリアン波動のデータをみるに、

(NOAAより)

 

日本の南方は赤系の、対流活動不活発領域に入っている状況で、

台風の種になる対流雲がここしばらくは発生しにくい条件下にあります。

 

それでも、止まない雨はありません。

この「戻り梅雨豪雨」が早く収まることを願いつつ。

 

(注釈のない図は気象庁HPより)