東北地方に、太平洋から熱帯低気圧が接近しています。

 

レーダーでは渦巻く雲の帯が見えますが、

 

気象衛星の赤外線画像では、三陸沖にあるはずの熱帯低気圧は

はっきりしません。

 

でも、可視画像(宇宙から人間の目で見たままの雲の模様)でみてみると、

 

 

三陸沖に中心を持つ雲の渦がはっきり見て取れます。

 

赤外画像は温度が低い=高い空にある雲がより白くはっきり写るので、

赤外で暗く、可視ではっきり、ということは、とても背が低い低気圧である

ことを示すといえます。

 

高層天気図(500hPa≒5500m上空)で見ても、熱帯低気圧は

描かれていません。

 

 

かわりに、本州中部上空には寒気を伴う低気圧=寒冷渦が居座っています。

 

この熱帯低気圧も、台風8号と同じく、寒冷渦の周辺で発生した、背の低い

「台風(熱帯的気圧)もどき」

のようです。

 

背が低いといっても、8号台風以降、

寒冷渦の東側を次々と台風もどきが北上し、

寒冷渦がもつ上空の寒気に向かって下層から湿った空気を流し込む

状況が続いていて、

激しい雷雨を引き起こす積乱雲が発生しやすい不安定な状況が続いています。

 

この状況は、500hPaの予想天気図によれば、明日後半には解消

しそうで、一旦盛夏が

 

 

週後半にはまた南から寒冷渦が本州に接近し、

(図はBASSOさんのHPより8/5 15:00の500hPa予想図)

 

天候は不安定化、

その後、太平洋高気圧の弱り目を衝いて(?)、西から気圧の谷が

東進してきて、秋雨前線の”はしり”が本州付近に南下してくるとの

数値予想が算出されています。(まだまだ不確定ですが)

 

(BASSOさんのHPから、8/8 21時予想図)

 

図の色分けは降水量で、赤線が当方で上書きした、大体の前線位置です。

 

変則的な気圧配置のためか本格的な台風が発生しにくくなっているのは

ありがたいですが、この盛夏時期での秋雨前線南下となると、

また豪雨の心配も出てきます。

 

スッキリしない夏空は今後も続きそうです。

 

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特に記載がない図は気象庁HPより。

BASSOさんのHPは下記。