来週(7/26~)の月曜日以降、関東から東北にかけ、
南東方向から発達した低気圧が接近する予想になっています。
その低気圧は、予想天気図では7/23頃にマリアナ諸島(小笠原の南方)付近で
発生し、発達しながら結構な速さで7/26~27には関東に接近し、
その後減速して東北へ、または日本海へ向かうようですが、
日々予想が更新されるごとにコースが変わっていて、未だはっきりしません。
地上天気図の予想はこんな感じ。(7/26 21時)
で、その低気圧の構造をみてみると、発生当初ははっきりしないのですが、
関東接近段階では、どうやら上空に寒気を伴っており、渦も上層ほど
はっきりして大規模なので、台風や熱帯低気圧ではなく、寒冷渦っぽいもの
なのではないか、とも思われます。
500hPaの予想天気図はこんな感じ。
5820mの等高度線が示す大きな低圧部は、
-3℃の寒気の塊と重なっています。
ただ、上層の渦は本州・四国・九州・小笠原を覆う直径2000キロに及ぶ
巨大なものなのに対し、地上の低気圧は直径500キロ程度、ミニ台風程度の
もので、位置もずれていて、つりあいません。
300hPaの予想天気図はこんな感じ。
渦はでかくて深いです。
発生当初は、500hPa天気図でこんな感じ
で、台風6号の暖気の塊の端っこに誕生するので、
最初から寒冷渦なわけではないと思われます。
現在の雲の様子をみても、それっぽい渦は認められません。
普通の熱帯低気圧発生前夜な感じです。
その後ずっと見てゆくと、7/25あたりで、上空の低気圧が
巴形に北から寒気を、南から暖気を巻き込む様子がみられます。
このあたりで上空の低気圧が変質するのかな、とも思えますが、
この時点で300hPaには、偏西風帯から切り離された強い渦(切離低気圧≒寒冷渦)が
存在していて、地上の低気圧はその南東の隅に位置しています。
地上の低気圧は300hPaの高さまでは達していないようです。
なので、どうやら、熱帯低気圧として小笠原南方で発生した低気圧が、
北上とともに500hPa(≒5500m)ぐらいの背丈には成長するものの、
その後関東の南東沖にできた対流圏上層の寒冷渦に巻き込まれ、
寒冷渦の周りを勢いよく回って関東に衝突してくる、ということの
ようです。「亜熱帯擾乱」のような構造でしょうかね。
だとすると、下層の暖気と上空の寒気を伴い、豪雨や突風など激しい気象
を起こす可能性もあり、台風とは別の心配も必要になりそうです。
進路も、寒冷渦の動き次第のところもあって、予想が難しくなりそうです。
まあ、予想図上で各層の天気図があまり整合していないような場合は、
予想がうまくいっていないこともあるので、今後の予想の変遷に注目といった
ところでしょうか。
この低気圧や寒冷渦の進路次第で、暑さが一段落するか、また北日本や東日本に
猛暑が戻るかも分かれてきそうです。
上記予想天気図は下記BASSOさんから
衛星写真は高知大学気象情報頁さんから