そんなこんなで一回目の接待が終了。

 

数日後、佐々木さんから電話がかかってくる。

 

佐々木「もしもし!お疲れ様です。田村社長との契約決まりましたよ!」

 

僕「マジっすか~!役にたったんですかね~?僕は」

 

佐々木「もちろんです!また坂田さんと飲みに行きたいからそのうち連絡するって言ってましたよ。」

 

僕「そうですかー!よかったです!」

 

佐々木「結構デカい契約だったのでいいスタートがきれましたよ!本当にありがとう。報酬はきっちり計算して給料日に振り込みますね」

 

僕の給料は12万円。接待した相手から契約がとれたら売り上げの10%が報酬。

そして接待は夜なので電話番は続けられるので21万円も入ってくる。

 

それから接待の仕事はないまま25日の給料日がきた。

 

佐々木商事に向かう。

会社はまだ佐々木さんの自宅の一角が事務所でガレージが出荷作業所になっている。

ガレージを覗くとハル君が在庫チェックしている。

 

僕「よお!ハル君!調子どうよ?」

 

ハル「おお!みっちゃん!めっちゃ暇だよ。この間みっちゃんが契約とってきた物を昨日出荷したのみ。」

 

どうやら忙しいのは佐々木さんだけのようだ。僕たちはこんなんでいいのだろうか?

 

事務所に顔をだすと佐々木さんが電話営業をしている。

僕に気づくと、とりあえず座って待っててと目で合図される。

 

電話が終わったようだ。

 

佐々木「お疲れ様です。これが給料明細です。」

 

僕「!!!!!!えー!!!!!」

 

手取りが140万円.........

 

僕「どういうことです?これ合っているんですか?」

 

佐々木「はい。良い契約がとれたので」

 

税金うんぬんはわからないけど確かに最後の欄は1,415,000円と書いてある。

 

佐々木「消耗品なので買い替え時にもこの契約が再度成立すると同じだけ坂田さんの給料に反映されますよ。」

 

もう涙と笑いがとまりません!

 

佐々木「これからも力を貸していただけますか?」

 

僕「はい!!でもこんな楽して稼げるのはいいんですか?佐々木さんしか動いてないじゃないすか」

 

佐々木「それは違います。まず僕はこの仕事が趣味同然なので苦にならないし楽しい。

ハル君は今は暇かもしれないが、細かい契約が舞い込んでくるとドタバタするでしょう。

坂田さんには契約後も社長さん達と良い友達でいてくれないと更新時にまた契約がとれない。それにかなりお酒を飲んで貰うことになるので健康のリスクが大きい。だからドーンと構えていてほしいのです。」

 

僕「なるほど。わかりました。ありがとうございます!」

もう生きる気力しかない。

 

続く