けいおん!!ライブイベント Come with Me!! @埼玉スーパーアリーナ | 大手町デイズ

けいおん!!ライブイベント Come with Me!! @埼玉スーパーアリーナ

大手町デイズ-110221
「けいおん!!」のライブイベント、「Come with Me!!」へ行ってきました。
2009年のイベントは横浜アリーナ15000人。そして二度目のイベントは
さいたまスーパーアリーナ30000人。
ライブには色々いったことがあるけど、アニメのイベントは初体験。
動画サイトなどでその熱気は知っていたつもりですが、想像以上にそれは激しく、
立っているだけでは自分という存在がかき消されてしまいそうになるほど。

埼玉スーパーアリーナのスタジアムモードというのはめちゃくちゃ大きかったです。
大手町デイズ-110221
昔ケツメイシのライブをここで見たときはアリーナ席だったので実感なかったのですが、
今日は最上階の500レベル。東京ドームのスタンドで見ているのとかわりありません。

「けいおん!」のイベントってスクリーンにキャラクターが映し出されて、
バックバンドがそれに合わせて演奏するの?
と聞かれたことがあったけど、初音ミクのライブとは違ってキャストの声優さんが
ステージで歌うストレートなもの。

ライブの構成は、声優さんのステージ的な色合いの強いキャラソンパートと、物語のキャラクターを演じるような軽音部パートといった具合に絶妙に構成されていました。

ライブ始まる前の緊張感がハンパなかったです。
会場が暗転するとカラフルなサイリウムの宇宙にいるみたいで、500レベルからの光景は壮大。
会場の異常なテンションに引っ張られたままライブがスタート!
ダメだ、肉眼では爪程度のサイズにしか見えない。スクリーンで見る事に。
でも、いいのだ、ライブは音を感じるのだ!
オープニングから、2期のオープニング「GO!GO! MANIAC」とエンディング「Listen!」の連発。
ガツンと叩き込まれるわけですよ。
キャストは楽器を持っていますが、演奏はバックバンドがしっかり演奏です。

このままバンド形式で数曲やるのかと思いきや、すぐさまキャラソンパートに。
個人的にはキャラソンに思い入れはなく、簡単な予習程度だったのですが、
ライブで聞くとあっという間に5人分のフルコーラスがおわってしまいます。
流して聴いていたのに、ライブで聴くと凄く聞き慣れたように思えるから不思議。
アニソン系のライブではサイリウム(ケミカルライト)が欠かせないアイテムとなりますが、
キャラソンではキャラが切り替わる度に30000の客席のサイリウムの色も切り替わるんです。
このライブでは全部で9色近くのサイリウムを使い分けていたと思います。

軽音部5人のキャラソンが終わったところで、サブキャラのキャストさんも全員登壇。
そしてスペシャルゲストとして、アニメ「けいおん!」シリーズの山田尚子監督が登場。
あのゆるゆるな原作を、女の子のリアリティあふれる作品に仕上げた女性監督ってどんな人なんだろうも思っていたら、
緩いロングスカートにTシャツ姿の自分と同世代の(もっと若いかも)きれいな女性でびっくりしました。この人が監督さんなのか……。
アニメの監督っていうと、宮崎駿とかガンダムの富野、エヴァの庵野秀明とかね……
真っ先に思い浮かぶのがキワモノばかりなものですから、ギャップに衝撃。
そして監督からは劇場版「けいおん!」の公開日が発表され、
キャストからは監督に気になる内容について質問が出されました。
内容は総集編ではなくて、完全オリジナル。主人公の唯が高校在学中の話になるんだとか。
「よかった~」と肩を撫で下ろしていたのが、唯一の後輩である中野梓役の竹達さんでした。
そんな発表を挟んで今度はサブキャラのキャラソンが4曲。
そににしても、本編と関係ないキャラソンだけで10曲越えることになるんだぜ……。

キャラソンが一通り終わったところで、ステージは無人となり、
「ある日の軽音部」という紙芝居的なショートストーリーがスタート。
過去のアニメのカットを組み合わせた映像にキャストが声をいれていきます。
内容は部室として使っている音楽準備室が工事で使えないため、
みんなで練習場所を探し回るというもの。
歩き回ってたどり着いた不思議な建物のドア。
そのドアを開けると……軽音部のキャスト5人がスーパーアリーナのアリーナ席の通路に!
至近距離に現れた楽器を背負ったキャストに会場へ騒然。
そのままアリーナ中央に設置されたステージへ上がり、
放課後ティータイムのライブパートがスタートです。
「いちごパフェが止まらない」「ときめきシュガー」
そして唯一キーボードのムギがボーカルを務める「Honey sweet tea time」を演奏。
多分イヤモニがトラブっていたのか、澪役の日笠さんはボーカルがズレてしまって大変そう。
かけ声に360度+真上から囲まれる状況ではイヤモニで音を拾うのも一苦労なのかも。
エリアごとにかけ声を競い合うというのを曲の合間にやったんですけど、
会場の1/4の観客の声だけで欧州サッカーのスタジアムみたいでしたからね。
音が反響するからサッカースタジアムとは違うけど、Jのサポーター顔負けです。
地響きですよ、これ。
センターステージでの最後の一曲はアップナンバーの「ごはんはおかず」!
「1・2・3・4・ごはん!」と「どないやねん!」で地響きの連続。

アリーナ中央でのライブが終わると、ステージが不気味な光を発し、
軽音部の顧問、さわ子先生が高校時代に結成していたメタルバンド「デスデビル」のライブに。
ピンクのエクステ、ピチピチの衣装にフライングVを持ってキャストの真田アサミさん絶叫!
バリバリのメタルナンバーに炎の噴き出す演出。ステージ演出が一番凝っていたのがデスデビルかも。
メタル好きには嬉しい2曲のステージでした。
フツーにかっこよくて僕はこのデスデビルのパートが聴けて凄く嬉しかった。
(ギターのクリスティーナ役の浅川さんのtwitterにデスデビルの写真発見)

ステージは再び「ある日の軽音部」に。
今度はキャストが椅子に座って台本を読み上げます。
といってもメインキャストの5人は殆ど見ていないで演芸のように演じていました。
ストーリーは、お茶の時間を迎えた軽音部が、いつものゆる~い話をしているところに、
顧問のさわ子とデスデビルのクリスティーナがOGとして軽音部にやってくるのだが……
というストーリー。
このパートでは和ちゃんの「じゃあ、私生徒会室行くね」と唯を軽くあしらう人気のセリフ
が飛び出したところで1番笑いが置きました。
スクリーンにはアニメのカットが入るので、まるで新作を見ているかのような気分。
その話の流れで軽音部のメンバーがお茶を終えて練習することに。

「ここからは生演奏になります」
というMCで生演奏パートがスタート。
けいおん!ライブの魅力の真骨頂がこの楽器経験ゼロの声優さん達が、
アニメのキャラクターのように生でバンド演奏すること。
ベースの日笠さんは、澪と同じようにレフティのベースをプレイしながらボーカルも担当する。
ギターやベースをやったことのある方なら、このハードルの高さがわかるはず。
このパートでは物語と同じ、リアル軽音部が目の前に広がるのです。
しかもオーディエンスは3万人!
この素人には過酷すぎる極限シチュエーションが会場の雰囲気が変わります。
「がんばれー!」という人もいれば、固唾を飲んで見守る人もいる。
ピリッとした空気に包まれるのです。
1曲目は「ぴゅあぴゅあはーと」。当然音源のような巧みな演奏ではない、テンポも落としている。
だけど慣れない演奏をひたむきにやる、プロのミュージシャンでは絶対に見ることのできない
特別なひたむきさが心に響くのだ。
「アニメの唯ちゃんたちは2期になって成長していったけど、中の人達(笑)も
同じように少しでも成長しているところを見せられればと思って一生懸命練習しました」
と唯役の豊崎愛生(iPhoneの予測変換で出てきた!)さんが話し「U & I」へ。
この「U & I」が凄く良かった。バンド絶対上手くなってる。
演奏は簡略化されてるけどそれが気にならないほど引き込まれるし、
高校の軽音部のライブってこんな感じだよねっていう記憶が一気に蘇ってきました。
うわー楽器をやってる初心者の楽しさがこんなでかい会場で伝わってくるなんて!
「次の曲はボーカルに専念させてください。バンクバンドの皆さん、よろしくお願いします」
といって演奏されたのが、最終回で軽音部唯一の後輩梓に贈った「天使にふれたよ!」
これは3年生の4人だけで歌われ、スクリーンには最終回の梓の顔が。
おお、あの感動シーンが生歌で再現されますわけです。
しかもこの曲の一番聴き所といってもいい、日笠さんによる2コーラス目のサビなんですが、
日笠さん泣いてしまって歌えない。
ステージ袖から目を擦りながら梓役の竹達さんがもどってきて、本編最後は生演奏で「ふわふわ時間」。
放課後ティータイムの代表曲ですね。
前回のライブでもやっている曲だけど、前回の映像と比べると余裕が感じられます。

(これが前回の横浜アリーナ公演)

こうして本編は終了。
あっという間だったけど、この時点で2時間経過していました。
時計見てビックリ!これからアンコールですよ。

アンコールは「NO,Thank You!」でスタート。
日笠陽子さんのボーカルがライブならではの荒々しさでグイグイとオーディエンスを引っ張っていく。もたもと攻撃的なナンバーだが、曲の鋭さに力強さが加わった感じ。
お客さんのテンションも本編以上におかしくなってきて、もう大変なことになってるんですよ。
そして3番目のオープニングテーマ「Utauyo!! MIRACLE」。
けいおんの歌で多分1番難易度の高い曲。
極限まで歌詞を詰め込んだ曲なのでライブでちゃんと歌えるのか1番不安な曲だったけど、
豊崎さんは難なく、むしろ伸びやかに歌い上げてる!これちゃんと歌える曲なんですね。
作っているほうも計算していると思うんですけど、すげぇわ。
もうアンコールは色々わけわからなくなって記憶が曖昧なのですが、多分この2曲で終了。

ダブルアンコール。
「昨日からここでリハをしていて、この作品に初めて関わったときのことを思い出した」
というMCに続いて、1期のOP「Cagayake! GIRLS」へ。
OPは3曲ありますが、この曲が作品の雰囲気を最も表していると思います。
5人のキャラクター、楽器を演奏する楽しさみたいなものがギュッと詰め込まれていると改めて実感。
そして日笠さんのタイトルコールですかさず「Don't Say "lazy"」へ。
アンコールヤバいよ、これは殺しにかかってるぜ、汗が止まらんよ!
放心状態で2度のアンコールが終了。

そして最後、3度目のアンコール。
ここでさわ子役の真田さんがピアノを弾き、生徒達による合唱。
歌うのは「桜が丘女子高等学校校歌」。
ピアノの伴奏で歌うとホントの校歌みたい。

最後にキャストが全員登壇。一人ひとりコメントをしていきますが、これがもう涙涙の連続。
みんな一様にこの作品に出逢えたことの喜びを噛み締め涙交じりに話していましたが、
ライブを迎えるに当たって、様々な不安を抱えながら当日を迎えたことが伺えました。
特に泣いていたのが、このお二人でした。
律役の佐藤さんはボロボロと涙を流しながら
「歌とドラムの練習の音楽漬けで楽しいことだけじゃなかった。
何度も逃げ出しそうになったたけど、その度に私を励ましてくれたのが楽しそうにドラムを叩く律ちゃんの姿でした。今回も律ちゃんに助けられました」
そしてライブ本編から泣きっぱなしだった日笠さん
「このライブが決まってから本当に不安だった。果たしてちゃんと集まれるのか……」
ボロボロに泣きながら、ライブへの不安、葛藤を語ってからこう叫んだ。
「ライブが怖かったです。でもみんなに支えられたから、みんなを支えたいって思ったんだよ!!!!」
これ絶叫でした!
なんだよ、これ。こんな直球を泣きながら叫ばれる準備していないんだからさ……この人凄すぎ。
色んな意味でフツーのライブではありえないことの連続で、もう処理できなくなってきました。
そして正真正銘最後のナンバーは全員で歌う「Come with me」。
最後はカラフルな銀テープが舞ってライブは終了。

なんと3時間45分の濃厚すぎるライブで、序盤の映画版詳細発表も霞んでしまうほどでした。
「けいおん!」は、作品も凄いけどライブはヤバすぎました。
物語を共有した人達が集うのは他のアニメイベントも同じだと思うのですが、
目の前で本当に軽音部が繰り広げられる。リアルな成長を見せつけられるわけです。
このステージがまさに青春といってもいいでしょう。
そして3時間45分がひとつのドラマになっている。
グッズに長時間並んだ人間からしたら、クライマックスに辿り着くまで、
壮大なストーリーなわけです。
豊崎さんが「このライブを見てまた明日から頑張ろうって思ってくれたら」とか言ってましたが、
そういうレベルじゃないでしょう。

12月の劇場版が今からとても楽しみですが、ライブもまたやってほしい。
これはハマる、アニメで「けいおん!」見た人なら。
さいたまスーパーアリーナでさえ瞬殺なのだから、
もう東京ドームでやって欲しいよ、ここまで来たら。
5万人だってチケット瞬殺だよ、絶対。

いやー、ホントに凄いものを見てしまった。
この興奮を1ミリも共有できないことが歯がゆいくらいです。
しばらくこの余韻に浸っていたいくらいのステージでした。